子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「その手に触れるまで」:現実にコミットし続けるダルデンヌ兄弟の覚悟

2020年07月26日 19時38分43秒 | 映画(新作レヴュー)
トルコのイスタンブールにある世界遺産のアヤソフィアが,イスラム教のモスクとなってから初めての集団礼拝が24日に行われた。エルドアン大統領が下した決断により,86年振りに博物館からモスクに変更されたことに対しては,国内の野党のみならず,ギリシアをはじめとするヨーロッパ各国からも様々な意見が寄せられているという。そんなニュースの受け止めも,所によってはイスラム教信者が多数派となっている町もあるヨーロッ . . . 本文を読む

映画「WAVES/ウェイヴス」:あらゆる技巧を尽くして描かれる「今」

2020年07月25日 11時09分46秒 | 映画(新作レヴュー)
NETFLIXの配信で観たスパイク・リーの新作「Da 5 Bloods」は,ヴェトナム戦争で多くの黒人兵士が亡くなった歴史と,今の黒人が置かれている状況を,「宝探し」というフォーマットとマーヴィン・ゲイで繋ぐ,怒りに満ちた見事な作品だった。「ブラック・クランズマン」で華麗に復活したリーのテンションは,「BLACK LIVES MATTER」運動の大きなうねりの中で,今もまだ高く保たれているようだ。 . . . 本文を読む

映画「カセットテープ・ダイアリーズ」:米国に入国にするための最高の理由とは?

2020年07月19日 19時23分21秒 | 映画(新作レヴュー)
監督のグリンダ・チャーダが「今のイギリスで現役で映画を撮っている監督の中で,一番たくさん映画を作っているのは,ダニー・ボイルではなく私なんだって!」と語っている記事をウェブニュースで読んだ。私が初めてチャーダ作品を観たのは「ベッカムに恋して:原題「Bend it like Beckham」ベッカム(のキック)みたいに曲げて蹴って!」だった。キーラ・ナイトレイの助演も鮮やかだった作品は,人種と性別の . . . 本文を読む

映画「レイニーデイ・イン・ニューヨーク」:まさに「everything happens to me」を地で行くウディ・アレン

2020年07月05日 12時38分34秒 | 映画(新作レヴュー)
題名に偽りなし。こんな風に雨に濡れたニューヨークの街並みが次から次へと映し出される映画は,初めてではないだろうか。主役の大学生ギャツビー(ティモシー・シャラメ)が着るツイードのジャケットが雨に濡れ,ギャツビーが成り行きで昔の恋人の妹チャン(セレーナ・ゴメス)とキスをする車のウィンドウに落ちてくる雨粒を観ているうちに,4DXではないのにまるでこちらの髪にも水滴がついたような気分にさせられる。ウディと . . . 本文を読む