子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「アイ,トーニャ」:マーゴット・ロビーの女優根性に拍手

2018年05月27日 17時32分04秒 | 映画(新作レヴュー)
職場の20代の若手に「トーニャ・ハーディングの殴打事件と靴紐事件って知ってる?」と訊いたら,「知りません。靴紐事件と言ったら,織田信成でしょ」と返された。当たり前か。 24年前のスポーツの世界のスキャンダルを,こんな形で映画化するなんて,しかも「ラースと,その彼女」みたいな地味なアート系映画の演出家を抜擢して,滅法「面白い」娯楽映画に仕立ててくるなんて,思いもよらなかった。 ただそれもマーゴット・ . . . 本文を読む

映画「ザ・スクエア 思いやりの聖域」:過剰なスノッブ批判が獲得した鋭い鋒

2018年05月19日 21時38分33秒 | 映画(新作レヴュー)
雪崩の襲来時に,妻や子供たちを置いて一目散に逃げてしまった一家の大黒柱は,果たして家族の信頼を取り戻すことができるのか。カンヌの「ある視点」部門で審査員賞を受賞した「フレンチアルプスで起きたこと」は,サッカーで言うと,引いて守りながら,相手のサイドバックが上がって出来たスペースをめがけて,常にピンポイントで鋭いパスを狙ってくるチームのような作品だった。思わず「そこを狙ってくるか」という嘆息を漏らし . . . 本文を読む

映画「レディ・プレーヤー1」:ここまで来たら次は「AKIRA」実写版を!

2018年05月13日 20時45分29秒 | 映画(新作レヴュー)
劇中で,スティーヴン・キングが自身の小説をスタンリー・キューブリックが監督した映画版の「シャイニング」を嫌っていた,という映画ファンには有名なエピソードが語られるのだが,果たして「レディ・プレーヤー1」を観に来るゲーム好きの少年少女が,どのくらいこの一般的にはマニアックと思われる「枝葉」に食い付くのか,疑問に思っていたのだが,興行収入は公開2週目でも3位をキープ。「シャイニング」のスピルバーグ版完 . . . 本文を読む

2018年J1リーグ第13節 札幌 VS G大阪【2:0】

2018年05月05日 21時12分54秒 | 北海道コンサドーレ札幌
残留目標の守備的なサッカーから,上位狙いの攻撃的なサッカーに切り替える,と宣言して,ミーシャを招聘するという思ってもみなかった手に出た今季の札幌だったが,やはりJ1は甘くない,と思い知らされた開幕直後。開幕から3試合で2敗して勝ち点1。果たして「2点取られても3点取り返す攻撃的なサッカー」が実を結ぶのはいつの日か,と思案していたのは3月中旬のことだった, それがホームで長崎に勝利を挙げてから,続く . . . 本文を読む

映画「聖なる鹿殺し」:終わりを悟った子供たちの表情が並のホラーを蹴散らす

2018年05月04日 13時41分12秒 | 映画(新作レヴュー)
我が子を手にかけるかどうか悩む父親,というシチュエーションで真っ先に思い出すのは,フランク・ダラボンがスティーヴン・キングの中編を映画化した「ミスト」だ。霧の彼方から援軍がやって来る音が聞こえてくるラスト・シーンの衝撃は忘れがたいが,ヨルゴス・ランティモスの新作「聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア」のラスト,ダイナーで座っていた娘が立ち上がる瞬間も,分かっていても「そうだったの . . . 本文を読む