子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

国際親善試合 日本代表VSイングランド代表【1:2】運動量が保てばという仮定の話をしても仕方ない

2010年05月31日 00時11分47秒 | サッカーあれこれ
韓国戦の惨敗から中5日。スイスに移って気分も新たに,阿部をストッパーに置いた守備的な4-1-4-1を試していることが伝えられている日本代表が,優勝候補の一角に挙げられているイングランド代表を向こうに回してどんな戦いを見せてくれるのか。正直言って「興味深い」と言うよりも,「おそるおそる」柱の陰から覗いてみる,という方がぴったりくるような気分で観戦した。 しかし始まってみれば,前半は守備的なはずの布 . . . 本文を読む

映画「グリーン・ゾーン」:モグラ叩きに必要とされる反射神経が試される

2010年05月30日 18時44分28秒 | 映画(新作レヴュー)
「ジェイソン・ボーン」シリーズの第2作「ボーン・スプレマシー」のアクション・シーンで見せた,超高速ショットつなぎによって一気にブレイクし,その技術を活かして9.11が与えた衝撃を「ユナイテッド93」でスクリーンに再構築して見せたポール・グリーングラス。そんな彼が,マット・(ジェイソン・ボーン)デイモンと三たび組んだこの新作で狙ったのは,虚実の境界を曖昧にすることによって,もはや「歴史」になりつつあ . . . 本文を読む

映画「アイガー北壁」:「剱岳 点の記」ドラマティック・ヴァージョン,という表現では言い表せない凄み

2010年05月27日 00時13分55秒 | 映画(新作レヴュー)
昨年日本では名キャメラマンの木村大作が初めてメガホンを取った山岳映画「劔岳 点の記」が話題を呼んだ。売りは「CGなし」だった。監督の執念が乗り移ったような映像が持つ迫力だけで勝負した潔さに,私も深く打たれた一人だ。 だが,そのあまりに潔すぎる姿勢は,殊の外あっさりとした作劇に通じてしまい,折角の素晴らしい素材にも拘わらず,観客をハラハラドキドキさせることを放棄してしまったことに対する食い足り無さを . . . 本文を読む

キリンチャレンジカップ 日本代表VS韓国代表【0:2】本番直前に完膚無きまでに叩きのめされるという現実

2010年05月24日 21時43分47秒 | サッカーあれこれ
もの凄いプレーだった。下半身の強さ。チャンスと見た時の前への突進力と瞬発力。そして強く正確なシュート。前半6分のパク・チソンの先制ゴールは,プレミアを代表するビッグ・クラブのマンチェスターUで,長くプレーしてきた選手の非凡さが全て詰まった素晴らしいものだった。 だが韓国チームの強さは,パクに代表される強い個人技だけではなかった。プレスをかける間合いとスタミナ,セカンド・ボールがこぼれてくる位置に対 . . . 本文を読む

2010年TVドラマ春シーズンレビューNO.5:「同窓会」「チェイス 国税査察官」

2010年05月22日 10時49分28秒 | TVドラマ(新作レヴュー)
当代きっての売れっ子脚本家井上由美子が手掛けた新作は,随分とまた手垢の付いた素材と,何処かで見たようなキャストによる,新世紀の「金妻」かと思われた。無理矢理付けられたと思しき「ラブ・アゲイン症候群」というひどい副題もまたベタだったので,黒木瞳が年齢を忘れて可愛い子ぶりっ子演技を始めたらすぐにでも逃げだそうと構えながら,恐る恐る覗いてみた。 結果は,予想通り黒木瞳は可愛い子ぶりっ子を得々とやっていた . . . 本文を読む

映画「プレシャス」:主人公が置かれたハードな環境とウェルメイドな脚本の齟齬

2010年05月20日 00時01分18秒 | 映画(新作レヴュー)
今年のアカデミー賞で最優秀脚色賞(ジェフリー・フレッチャー)と助演女優賞(モニーク)を受賞した話題の映画。ひたすら奥歯を食いしばり,世の中と自らの境遇と運命を呪っているかに見えるプレシャス(ガボレイ・シディベ)が,自分と社会を繋ぐ1本の細い糸を握り締め,自らの意志を浮力に使って地獄から羽ばたいていく。主役から端役まで,役者全員が見せる素晴らしい演技が悲劇の密度を高め,ハーレムと世界をつなぐ普遍的な . . . 本文を読む

2010年TVドラマ春シーズンレビューNO.4:「月の恋人 Moon Lovers」

2010年05月16日 17時30分22秒 | TVドラマ(新作レヴュー)
恒例になりつつあるフジの「遅出しジャンケン」のドラマ・スタートだが,今期は木村拓哉のラブ・ストーリー「月の恋人」が,ほぼ1ヶ月半というタイムラグで始まった。 相手役は産休明けの篠原涼子,既に月9のヒロインは経験済みの北川景子に,「レッド・クリフ」シリーズで日本の「歴男」たちをノックアウトしたらしい(私は未見)リン・チーリン。豪華なのかどうかは判然としないが,何となくボール廻しだけは得意だが,決定力 . . . 本文を読む

2010年ACL決勝トーナメント1回戦 鹿島アントラーズVS浦項スティーラーズ【0:1】Jリーグ日没の時なのか?

2010年05月12日 23時35分59秒 | サッカーあれこれ
運動量で劣るため数的優位を作れず,ロングボールを入れても弾かれ,セカンドボールは全て拾われる。1対1をドリブルで突破しようという意志は感じられても,スピードやトリッキーな足技がないだけでなく,疲れからなのかボールが足に着かず,ひとりで倒れてしまう場面ばかりが目に付いた。 終わってみれば,何処からどう見ても勝ち目のない試合だった。でもこれがJリーグを3年連続して制したチームなのだ。この現実から目を逸 . . . 本文を読む

2010年ACL決勝トーナメント1回戦 ガンバ大阪VS城南一和【0:3】遠藤,やばいかも

2010年05月11日 23時05分09秒 | サッカーあれこれ
後半29分まで保たれていた均衡が,審判の信じられないような判定によるPKで破られたところまではまだ良かった。グループ・リーグ最後の試合で引き分けてしまい,おそらく大会の中で最も重要な試合をソンナムのホームで行わざるを得なくなってしまったのは,ガンバが蒔いた種なのだから。 問題はそこから同点に追い付くことが出来ず,逆に前掛かりになったところで2点を追加されてしまったという拙い試合運びだ。プレスの強 . . . 本文を読む

映画「オーケストラ!」:チャイコフスキーをパリで解き放て!

2010年05月10日 23時43分37秒 | 映画(新作レヴュー)
偽ボリショイ・オーケストラが,30年来の念願を果たした指揮者(アレクセイ・クシュコブ)とソリスト(メラニー・ロラン)に導かれて奏でられるチャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲は,音楽が持つ感情の喚起力の凄さを示して圧倒的だ。多分「のだめカンタービレ 最終楽章 後編」に決定的に欠けていたものとは,このカタルシスだったのかもしれない。クライマックスが過ぎさった瞬間に,満員の劇場に満ちていた幸福感は,つい . . . 本文を読む