今年も目標の100本には届かないながらも,実に充実したラインナップとなり,涙を呑んで選外となった作品群に平身低頭の大晦日。
1 はじまりのうた:ジョン・カーニー
2 アメリカン・スナイパー:クリント・イーストウッド
3 インヒアレント・ヴァイス:ポール・トーマス=アンダーソン
4 セッション:デイミアン・チャゼル
5 神々のたそがれ:アレクセイ・ゲルマン
6 パレードへようこそ:マシュー・ウォ . . . 本文を読む
プレーボーイ役が似合う二枚目俳優としてデビューしながら,いつの間にやら軽いコメディでより輝きを見せる俳優へ。歩んできた道程だけを見ると,まるで現在「下町ロケット」で顔芸の幅を広げるトレーニング真っ最中の阿部寛みたいだ。ライトなコメディ路線の延長上で,軽やかに人生の重さを語る作品を作り上げる。やはりこれは今のヒュー・グラントでなければ出来ない作品かもしれない。
15年前のアカデミー賞受賞という輝か . . . 本文を読む
ヘレン・ミレンの当たり役は?と問われたら,一般的にはアカデミー賞主演女優賞に輝いた「クイーン」でのエリザベス2世役ということになるのだろうが,私にとってのヘレンは何と言ってもピーター・グリーナウェイのおぞましい傑作「コックと泥棒,その妻と愛人」で,想像を絶する復讐を成し遂げる泥棒の妻役だ。愛人との密会シーンでの艶めかしさと,気品を保ちながら夫に対して行った残虐な行為とのギャップは,その後彼女が出演 . . . 本文を読む
1981年。アメリカがヴェトナム戦争の痛手から長い年月をかけてようやく立ち直り,やがて来るIT産業勃興期の胎動が微かに聞こえ始めた頃,暴力の影がニューヨークの通りを覆い,成功を夢見る若者は見えない敵に翻弄されていた。
監督のJ・C・チャンダーが,自分の親族が手掛けていた事業と,当時耳にしていた犯罪とを結びつけて創り上げたオリジナルな物語は,今までに見たことのないダークで複雑な様相を呈したビジネス・ . . . 本文を読む