子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「2019年のベスト10」:映画館不遇の時代に熱きエールを

2019年12月31日 10時15分22秒 | 映画(新作レヴュー)
メジャー資本のシネコン2館と二つのスクリーンを持つミニシアター(シアター・キノ)とを繋ぐ存在だったスガイ・ディノス(6スクリーン)が閉館して,映画興行のインフラ・レヴェルは人口が半分以下の浜松とほぼ同じとなってしまった札幌だが,残った映画館の奮闘もあり,公開作品のレンジは予想したよりも縮小幅が小さかったような印象を受ける。従前の環境でさえ取りこぼしを嘆いてばかりだったのに,公開期間の縮小がボディブ . . . 本文を読む

映画「カツベン!」:丁寧な作りと相反する弾けない笑いとアクション

2019年12月22日 14時05分39秒 | 映画(新作レヴュー)
エネルギーに満ちた娯楽作と社会派告発型作品との間を軽やかに往き来しながら,客を呼べる良心作を作り続けてきた周防正行監督の新作は,無声映画時代に日本で独自に発達した「活動弁士」=通称「カツベン」を主役に据えた,実にお正月らしい仕立ての賑やかな作品だ。観客を飽きさせない巧みな物語の中で,修行僧に相撲,社交ダンスそして裁判制度と,関わったことがない人には未知の世界の奥深くへと分け入っていく独特のワクワク . . . 本文を読む

映画「エイス・グレード 世界でいちばんクールな私へ」:こじらせ中学生のサバイバル日記

2019年12月14日 11時30分33秒 | 映画(新作レヴュー)
毎週金曜日の朝日新聞夕刊に掲載されている朝井リョウの小説「スター」は,大学時代に映研でつるんでいた二人のクリエイターが,片やオーセンティックな映画監督を目指す道へ,もう一人はYouTubeに代表されるネット動画の世界へ,という対照的な道を歩いて行く姿を描いた青春小説だが,YouTube系動画にまったくもって接点を持たない身としては,どうしても「ザ・監督」を目指す方を応援したくなってしまう。登場人物 . . . 本文を読む

映画「ドクター・スリープ」:廃墟マニアもホラー・ファンもみんな急いで劇場へ

2019年12月08日 11時16分15秒 | 映画(新作レヴュー)
主人公のダニエル(ユアン・マクレガー)を助けるビリー役の役者(クリフ・カーティス)の顔が,俳優の渋川清彦にあまりにも似ていて驚いたが,物語を楽しむ妨げにはならなかった。 このところ「IT/イット THE END」に「ペット・セメタリー」と,スティーヴン・キング原作の映画化作品の公開が続く中でも,キングがこき下ろした一方で映画ファンは狂喜乱舞した問題作「シャイニング」の続編となる「ドクター・スリープ . . . 本文を読む

2019年J1リーグ第34節 札幌 VS 川崎【1:2】

2019年12月07日 18時15分31秒 | 北海道コンサドーレ札幌
昨年最終戦で惜しくも逃したACL出場権利を目指して闘った今季の最終戦,残念ながらルヴァン杯の雪辱はならなかった。 残念ではあるが,「J1残留」という最低限の目標は達成し,カップ戦での決勝進出という大仕事をやり遂げたイレヴンには,心から労いの言葉を贈りたい。 開始直後の川崎の圧力と正確なパスワークは圧巻だった。小林悠の得点が今季初というのは意外だったが,例によって素速いパスを三つ四つと繋げられるう . . . 本文を読む

映画「i 新聞記者ドキュメント」:「質問してください」という圧力にどう対峙していくか

2019年12月01日 11時21分38秒 | 映画(新作レヴュー)
菅官房長官VS.東京新聞望月記者。官邸において行われる官房長官の記者会見は,本来なら「権力」対「権力監視」という構図となるはずが,図らずも「権力」対「反権力」という絵になってしまうことのおかしさが,冒頭のやり取りから滲み出す。辺野古埋め立てに使われている土に,海洋への影響を最小限に抑えるために低比率とすべき赤土が大量に混入している実態を突く望月記者に対して,官房長官は何度も何度も「法に則って適正に . . . 本文を読む