深夜に行われた初戦のカナダ戦は未見のため,今大会のなでしこの試合を観るのはこれが初めてだったが,初戦の勝利と我が目の両方を疑いたくなるような戦い振りだった。
このままカナダに続いてスウェーデンにも勝ってしまい,予選グループを1位で通過した場合は,決勝トーナメント1回戦でテストマッチでなでしこが完敗し,今や隠れ優勝候補と呼ばれているらしいフランスと当たることを回避した,という見方も出来るのだが,そん . . . 本文を読む
アメリカで1966年から1971年にかけて放送され人気のあったヴァンパイアもののTVドラマを,ティム・バートンがジョニー・デップとタッグを組んで映画化する。
そんな情報には,このところ派手な SFXを使い倒してヒットは飛ばすものの,作品の内容的にはどんどん私のストライク・ゾーンから外れていく一方のバートンが,「エド・ウッド」や「マーズ・アタック!」の頃のオフ・ビートな笑いを取り戻せるかと期待させる . . . 本文を読む
天才プログラマーにして億万長者のIT会社社長と,東大生で記憶力抜群ながらも就活連敗中の女子大学生。
今季の月9は,タイトルそのままに,若い主人公二人が繰り広げる恋物語(おそらく)なのだが,とにかく設定から役者から編集まで,全ての要素がベタなデフォルメで埋め尽くされている。まるで小栗も出演していた「花と男子」の焼き直しか,韓流ドラマか,というくらい「濃い世界」は,浮き世離れを越えて,ほとんど劇画の世 . . . 本文を読む
中南米の貧困と犯罪にあえぐ生活から逃れようとアメリカを目指す少年と少女の逃避行を描いた「闇の列車 光の旅」で鮮烈なデビューを果たしたキャリー・ジョージ=フクナガの新作は,160年以上も前の女性の自立と愛を描いた古典の映画化だった。
趣味に走って結果を出した「(500)日のサマー」のマーク・ウェブが,ジャンルも予算も飛び越えて「アメイジング・スパイダーマン」のディレクターに抜擢されたことも驚きだった . . . 本文を読む
今月から始まった2012年夏シーズン・ドラマの主演に,井上真央を持ってくる。これは勿論,理解できる。若手の中でも癖のない演技で幅広い層に人気のある彼女を,ゴールデンに持ってくるというのは極めて真っ当な判断だろう。だが,その相手役が「北村有起哉」と聞いて驚いた。
何かの間違いかと思ったが,番組表を見ても,駅の構内に貼ってある「お金なんかで死なないで」という台詞が書かれた大きなポスターにも,井上真央の . . . 本文を読む
テレ東ならばビクともしなかったはずの平均視聴率「3.9%」で,フジテレビの屋台骨が傾いだかのような騒ぎを起こし,最後は途中打ち切りの憂き目に遭った「家族のうた」の後継番組「ビューティフルレイン」だが,初回の視聴率は「家族のうた」最終回の約4倍となる12.9%。数字に極度に敏感になっていると思しきフジテレビ幹部も,とりあえずホッと胸を撫で下ろしていることだろう。
主人公の名前を「木下圭介」としたこ . . . 本文を読む
技術的にもの凄く高度なことをやっているという訳ではなく,かといって一分の隙もなく練り上げられた見事な構成によるどんでん返しがあるという訳でもない。
多少シニカルでクスッとさせる箇所はあるが,全編諧謔的とまでは言えない。役者の演技も,そっくりさん大会的な楽しさを超えるような,深いパフォーマンスを見せるというところまでは届いていないかもしれない。マリオン・コティヤールは実に美しいが,サルコジ元大統領夫 . . . 本文を読む
主人公は善良だけれども世事に疎く,次から次へと不幸なことが身に降り掛かるのだが,最後は小さな幸せを手にして映画は終わる。
フィンランドのアキ・カウリスマキが撮る作品は,まるで小津安二郎が年老いた父親のことを案じてなかなか嫁に行こうとしない娘を描いた諸作のように,同じような登場人物とストーリーで作られていながらも,鮮やかな色彩に彩られた微妙なグラデーションを毎回安心して楽しむことが出来る,どれも極上 . . . 本文を読む