登場人物が突然歌い出したり踊り出したりするってあり得ない。主人公の静香がミュージカルに対して持つそんな違和感を逆手に取った「ダンス ウィズ ミー」は,三吉彩花という素晴らしい素材を得て,怪しげな催眠術など必要とせずとも観たものすべてを踊らせてしまうような躍動感を獲得している。本作の監督である矢口史靖がメガフォンを取った佳作「スウィング・ガールズ」が,上野樹里というヒロインを中心に据えながらも,その . . . 本文を読む
久保が抜けても安定した試合運びで首位を走る東京相手に,先制されながらも追い付いての引き分けは,充分に評価に値する試合だったと言える。掲示板には昨日下位のガンバ相手に勝ち点1に留まった鹿島のサポーターから送られた「ありがとう!」という謝辞が載っていたようだが,ミシャが「(大勝の)次の試合が大事」というコメントで引き締めた効果がしっかりと出た試合となった。
シュート数では札幌が上回り(C16:F12 . . . 本文を読む
お盆のシネマフロンティアの夕方の回。一番大きなスクリーンは完売だった。公開からまもなくひと月が経とうとしているこの時期に,メイン・ターゲットと思われる若い人だけではなく,私のような中高年層まで巻き込んで,「天気の子」はもの凄い興行を展開しているようだ。「宮崎駿」引退後にぽっかりと空いていた,そしてその代わりとなる存在が果たして現れるかのどうかさえ未知数だったアニメーション興行のメイン・ストリームを . . . 本文を読む
「普通の人々」で監督業に乗り出し,主催したサンダンス映画祭が音楽界における「カレッジ・チャート」と同様の地位を占めるようになってからは,「俳優業」の比率がどんどん後退していったという印象の強いロバート・レッドフォード。とは言え,先日職場の会合で「レッドフォードを知っているかい?」と訊いたところ,20代と30代はまだしも,40代からも「知らない」と言われたのには驚いた。一世を風靡した美男俳優もヒット . . . 本文を読む
何もなくともアウェイから大挙して駆け付けてくれるサポーターの声援で,一年で一番盛り上がるレッズ戦。それが長年に亘って札幌の背番号「4」を背負ってきた河合竜二が自らプロデュースした引退試合に,小野伸二の札幌在籍最後の試合,更にNHKの朝ドラ「なつぞら」でヒロイン「なつ」を射止めた「一休さん」役の俳優中川大志の来場まで重なった結果,なんと自由席もほぼ前売りで完売となり,最終的には3万5千人を超える観客 . . . 本文を読む
互いに強く惹かれ合いながら,死が訪れるまで別れと再会を繰り返す男女の物語。これまでに世界中で何度も繰り返し語られてきた愛の物語の歴史に,美しく新しい一頁が加わったことを素直に喜びたい。時代も場所も社会背景も大きく異なる状況で作られた成瀬巳喜男の傑作「浮雲」と共鳴し合う奇跡に,映画の持つ素晴らしい力を再認識する夢のような88分間だ。
今年のアカデミー賞で是枝裕和の「万引き家族」やアルフォンソ・キュ . . . 本文を読む