子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「味園ユニバース」:アイドル専科山下敦弘の狙いは何だったのか?

2015年02月28日 21時09分26秒 | 映画(新作レヴュー)
3日間同じ場所にカメラを据えて,そこに集う人々の人生の断片を切り取るNHKのドキュメンタリー「72時間」でも取り上げられた大阪のキャバレー「味園」。何年か前,千日前をぶらぶら歩いていたときに遭遇した古い建物は,果たして営業しているのか廃墟なのか,近くに行くまで判然としなかったのだが,今は貸しホールと様々な種類の飲み屋が渾然と同居する,大阪カウンター・カルチャーのベースのひとつとなっているらしい。そ . . . 本文を読む

映画「はじまりのうた」:1ドルのアルバム。私も買いたい

2015年02月21日 11時56分20秒 | 映画(新作レヴュー)
才能を持った無名のアーティストと,落ち目の音楽プロデューサーが酒場で出会い,運命に導かれるように街角をスタジオにして音楽を作り上げていく。 公開前に劇場で何度も目にした予告編は,どこかで観たような既視感がつきまとい,「多分あんな感じね」と高を括ってしまいそうになる,どちらかというとネガティブな印象を受けるものだった。 それでも劇場に足を運んだ理由のひとつは,グリンダ・チャーダの爽快なフットボール映 . . . 本文を読む

映画「ニューヨークの巴里夫」:お父さんも子供も大変だ

2015年02月16日 00時02分46秒 | 映画(新作レヴュー)
バルセロナ,パリと来て,最後はニューヨーク。セドリック・クラピッシュがロマン・デュリスを主演に,3人の女優と共に紡ぎ上げてきた青春三部作は,ニューヨークのチャイナタウンで幕を閉じることとなった。いつも頼りなさげで不安な気持ちを宿しながら魅力的な女性たちの間を行ったり来たりしていたグザヴィエ(ロマン・デュリス)が最後に見せる笑顔には,迷いのない人生なんて価値がない,と宣言しているかのような輝きがあっ . . . 本文を読む

映画「KANO カノ 1931海の向こうの甲子園」:ひたむきさと躍動感が涙腺を直撃する

2015年02月07日 13時25分47秒 | 映画(新作レヴュー)
出ずっぱりの主演永瀬正敏は,劇中ほとんど眉間に皺を寄せた渋い顔だけで通す。ほんの少しだけ顔を見せる大沢たかおは,役割そのものが何だかよく分からない。使われるCGは10年くらい前のレヴェルで,特に必要を感じなかったラストシーンの船のカットに到っては,殆ど吹き出しそうなお粗末さ。3時間に及ぶ上映時間も,中盤辺りで相当テンポが落ちて,予選を勝ち抜くためには10回くらい勝たなくてはならないのではないかと思 . . . 本文を読む