子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2010年TVドラマ冬シーズンレビューNO.2:「曲げられない女」,「宿命 1969-2010」

2010年01月31日 19時33分25秒 | TVドラマ(新作レヴュー)
仲間由紀恵や上戸彩等々,かつての連ドラの女王の座にあった女優達が数字争いにおいて次々と失速していく中,最早ヴェテランの領域に入りつつある菅野美穂の安定感は今,どの局にとっても垂涎の的なのは間違いない。 今クールの新作である日テレ「曲げられない女」も,スタートからの3回平均が13.54%と,軽々と17%をクリアして別次元にいる「コード・ブルー2nd」に続く第2位の立ち上がりとなっており,地味な内容か . . . 本文を読む

2010年TVドラマ冬シーズンレビューNO.1:「コード・ブルー 2nd」,「エンゼルバンク」

2010年01月27日 20時39分58秒 | TVドラマ(新作レヴュー)
山下智久にとっては間に1クールを挟んでの再登板という,世が世なら「神様,仏様,稲尾様(例が古くてすいません)」並の過酷な状況での月9ドラマ出演となった「コード・ブルー -ドクターヘリ救急救命- 2nd season」だが,初回18.8%,第2回も17.1%という磐石のスタートとなった。 1stシリーズで退場した黒田(柳葉敏郎)に替わり,4人の若者の教官として椎名桔平が登場した以外は同じキャストに . . . 本文を読む

映画「釣りバカ日誌20ファイナル」:時代の必然と言うしかない寂寥感

2010年01月24日 17時41分48秒 | 映画(新作レヴュー)
映画の中程で,獣医師の吹石一恵とその恋人の塚本高史が,離農して中標津から札幌に出て行く中年の夫婦と別れを交わすシークエンスが出てくる。 引っ越し荷物を積んだトラックが農家の敷地を出てくるところに,ちょうど吹石達のRVが到着し,両者が車から降りてくる姿を,移動しながらセミ・ロングで捉えたショットに始まり,逆側のやや寄った地点から撮影したショットが続く。別れを惜しむ4人を撮ったバスト・ショットを挟んで . . . 本文を読む

映画「キャピタリズム マネーは踊る」:ムーア監督のお父さんは太っていなかった,という驚き

2010年01月20日 22時46分38秒 | 映画(新作レヴュー)
映画のプロモーションのため来日したマイケル・ムーアは,ドキュメンタリー映画作家というより,情報バラエティ番組における毒舌コメンテーターという風情を醸し出していた。カンヌ映画祭のパルムドール(グランプリ)受賞歴を持つ名監督が,巨体を揺すりながら好奇心丸出しで東京の街を徘徊する姿は,彼の作品に劣らずフォトジェニックな見せ物だったとも言える。 そんなマイケル・ムーアの真骨頂は,「150㎏を越えないこと . . . 本文を読む

映画「(500)日のサマー」:劇中のイケア・デートを真似た,ニトリ・デートが流行ったり…はしないか

2010年01月16日 23時41分28秒 | 映画(新作レヴュー)
主人公の二人が初めて言葉を交わす場面でザ・スミスが使われている予告編を観た瞬間に,これはただものではないぞと思ったのだが,本編はその予想をも遙かに上回る素晴らしい作品だった。ジョセフ・ゴードン=レヴィットとズーイー・デシャネルという二人の主人公は,1年半弱という時間をランダムに飛び回る荒行に柔軟に対応して,揺れ動く心情をヴィヴィッドにスクリーンに刻みつけて鮮やかだ。 500日に亘って繰り広げられ . . . 本文を読む

映画「ジュリー&ジュリア」:じっくり煮込まれた牛肉料理のようなメリル・ストリープ

2010年01月14日 20時54分10秒 | 映画(新作レヴュー)
「プラダを着た悪魔」が一つの転換点になったのだろうか。「マンマ・ミーア」における怪演としか言いようのない弾け振りと,従来型の重厚な演技を披露した「ダウト」を挟んで届けられた本作における,実在の人物へのなりきり振りを越えた演技の「大きさ」は尋常ではない。仕事を楽しみ,かつ観るものをリラックスさせながら作品の核心へと誘う技は,若い頃に得た「演技派」の勲章を,ひと味違う輝きで彩っている。30歳代前半でオ . . . 本文を読む

第88回全国高校サッカー選手権大会決勝戦 青森山田高VS山梨学院大付属高【0:1】

2010年01月11日 17時05分56秒 | サッカーあれこれ
どちらも個人の足元,中盤の構成力が共にしっかりしていて,攻撃力以上に守備の頑張りが勝敗を分ける試合になると思われたが,勝利の女神が微笑んだのは最後まで集中力を切らさずに,プレスが機能し続けた山梨学院大付の方だった。 攻撃の手数では明らかに山梨の方が上だった。特にサイドのスペースを上手く使った縦の速攻は迫力があった。攻撃の多くがシュートで終わっていたことに象徴されるように,ペナルティエリアに入り込 . . . 本文を読む

映画「アバター」:「ナウシカ」から四半世紀かかって到達した高み

2010年01月09日 13時33分03秒 | 映画(新作レヴュー)
先日,史上最速で全世界の興行収入が10億ドル(約920億円)に達したことが報道された,ジェームズ・キャメロン12年振りの監督作品。有名な俳優は殆ど出ておらず,人間対異星人の闘いをCGを駆使して描く,という情報以外,内容に関してはベールに包まれた状態での公開となったが,正直驚いた。おそらくはチャレンジしながらステップを上がっていったと思われる映像技術と,自然と異星人が共存しているユートピアに関する想 . . . 本文を読む

映画「のだめカンタービレ最終楽章前編」:TV版「のだめ」の楽しさが生きた好編

2010年01月07日 23時02分05秒 | 映画(新作レヴュー)
外国人は流ちょう(時に妖しげな)日本語を喋り,指揮者はうざいピアニストの彼女を遙か彼方に投げ飛ばし,主人公であるそのピアニストは歓びの時には世界を花で埋めてしまう。 どこを取っても「マンガ」らしい表現に満ちた原作のマンガを,そのテイストを活かしたままTVのフォーマットに移植したフジの連続ドラマは,まさに連ドラ史上に残る楽しさで私をノックアウトした。 TV版の特別編を挟んで,とうとうスクリーンに進出 . . . 本文を読む

映画「2012」:大きいことは良いこと,という価値観が辿り着いた地点

2010年01月05日 22時15分09秒 | 映画(新作レヴュー)
ローランド・エメリッヒというドイツ人の映画監督がハリウッドに進出して撮った初めての作品であるジャン・クロード=ヴァン・ダム主演のアクションSF「ユニバーサル・ソルジャー」については,筋はともかく,冒頭の場面だけはよく憶えている。 それはとてつもなく大きなアーチ式ダム(だったと思う)の上から,ロープを伝って降りてくる男たちを少し引いて捉えたショットで,人間が作った土木構造物の「大きさ」がどどーんと迫 . . . 本文を読む