子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

ERIC CLAPTON & STEVE WINWOOD JAPAN TOUR 2011 at 北海きたえーる (2011.11.17)

2011年11月17日 23時10分16秒 | 音楽(新作レヴュー)
端から端までぎっしり埋まったアリーナ席を見渡すと,年代的にはロック・コンサートなのか,はたまた「川中美幸ショウ(行ったことはありませんが…)」なのか,判然としない客層だった。エリック・クラプトンが既に札幌ドームで単独ライブをやったことがある影響なのか,取り立ててファンという訳ではなくともビッグ・ネームなので取り敢えず観ておこう,と思ったかもしれない若い人の数は,非常に少なかった。 そんな日本の縮図 . . . 本文を読む

XIMENA SARINANA「XIMENA SARINANA」

2011年10月01日 19時31分20秒 | 音楽(新作レヴュー)
The Bird And The Beeのグレッグ・カースティンとTV ON THE RADIOのデヴィッド・シーテック。普段ならどうにも共通点を見つけられそうにないこの二人の名前が,プロデューサーとして並んでクレジットされているCDをタワーレコードの試聴コーナーで見つけて聴いてみたところ,あっという間にノックアウトされてしまった。 メキシコ出身の25歳の女性シンガー,ヒメナ・サリニャーナは,この . . . 本文を読む

2010年のベスト10(音楽):怒濤のリマスター盤に対抗し得る強靱さを持った10枚

2011年01月02日 00時01分17秒 | 音楽(新作レヴュー)
2009年のビートルズのリマスター盤一斉発売に続いて,昨年は赤盤・青盤,ジョン・レノン,更にはストーンズ,スプリングスティーンと,殿堂級ビッグ・ネームのリマスター盤発売が相次いだが,現役組も硬軟取り混ぜた多彩な反攻を見せ,なかなか楽しい1年だった。 1 Brian Wilson:Reimagines Gershwin 2 Joanna Newsom:Have One on Me 3 Jónsi: . . . 本文を読む

Sufjan Stevens「The Age Of Adz」

2010年12月04日 20時00分29秒 | 音楽(新作レヴュー)
前作「The BQE」で大胆な「電子化」を図ったスフィアン・スティーヴンスの新作は,躍動感に溢れ立体的な音像が際立つ傑作だ。「ミシガン」,「イリノイ」と立て続けに「お遍路さんアルバム」を発表したことから,各州をコンセプトにしたアルバムで全米50州を網羅するプロジェクトを進行中,という報道が流れたが(実際にはガセネタだったらしい),そんなプロジェクトなど必要としないスケールの大きさには驚かされるばか . . . 本文を読む

V.A「Garth Hudson Presents A Canadian Celebration Of The Band」

2010年12月02日 22時34分34秒 | 音楽(新作レヴュー)
初期にはバンド内の音楽教師としてメンバーを鍛え上げ,キーボードから各種の管楽器まで様々な楽器を操り,音楽監督のような立場でザ・バンドの偉大な歴史に足跡を刻んだガース・ハドソンが,カナダ人のアーティストを起用してまとめたザ・バンドのトリビュート盤。トリビュートされるバンドのメンバーが音頭を取っているものを,果たして「トリビュート盤」と形容して良いのかどうかは分からないが,これまで私にとってはまるで縁 . . . 本文を読む

安藤裕子「JAPANESE POP」:タイトルに偽りなし

2010年09月18日 23時01分59秒 | 音楽(新作レヴュー)
日本的な叙情を湛えながらもウェットに陥らず,浮遊するようなメロディを舌足らずの甘い歌声で巧みに操り,独自のポップ空間を作り上げてきた安藤裕子が,2年4ヶ月振りに新作を出した。 その名も「JAPANESE POP」。私がジャンル,と宣言するかのような勢いだが,デビューから7年を経て,その音楽からは最も縁遠い言葉と思える「貫禄」をさえ感じさせる出来上がりだ。 今回はプロデューサーに,これまでずっとパ . . . 本文を読む

2009年の10枚(音楽):来年はディランのライブだ!

2009年12月29日 23時01分31秒 | 音楽(新作レヴュー)
年の瀬なのに,取り敢えず年賀状を出したらもう新年の準備が終わったような気になってしまい,天皇杯の準決勝で日本サッカーの将来を担うかもしれない吉田(名古屋)のプレーをチェックしようと思って,TVの前へ。結局その後のガンバVS仙台も続けて観てしまい,二試合観終えたら,外はもう真っ暗。貴重な年末年始をこんな調子で過ごして良いのかと自問してはみるが,まぁ大体毎年こんなもんでしょう,という内なる声に導かれて . . . 本文を読む

The Flaming Lips「Embryonic」:形態不詳,分類不能のプログレッシブ・ポップ

2009年11月24日 22時14分01秒 | 音楽(新作レヴュー)
今になって振り返れば,これまでの作品の端々に,こんなことをやらかしてもおかしくはない,という予兆を読み取ることは可能だ。しかし,ここまで徹底的に「アメリカ人がすなるプログレ」を突き詰めるとは思わなかった。 これは何処から見ても立派な「プログレ」であり,かつフレイミング・リップスの過激な面が強く出たポップ集でもある,壮大かつ新鮮な音楽実験リポートと呼ぶのが相応しい作品だ。 代表作と呼ばれている「T . . . 本文を読む

The Cribs「Ignore The Ignorant」:ジョニー・マー,流浪の旅の終着点か

2009年09月20日 19時54分03秒 | 音楽(新作レヴュー)
「1980年代生まれの3兄弟によるイキの良いギター・バンドに,1963年生まれの伝説のギタリストが電撃加入!」オアシスのノエル脱退以上に意表を突くニュースを聞いて,日々若い人との接触に難渋している1960年生まれの私は仰け反った。そのヴェテラン・ギタリストが,ザ・スミスを皮切りに多くのバンドを渡り歩き,若きギタリスト達に多大な影響を与える仕事を残しながらも,自身は遂に安住の地を見つけられないままこ . . . 本文を読む

Wilco「Ashes of American Flags」DVD:新世紀のザ・バンドか?

2009年09月05日 11時39分29秒 | 音楽(新作レヴュー)
冒頭,ヴォーカルのジェフ・トゥイーディーが羽織る,鮮やかなバラの刺繍を施した白いジャケットに度肝を抜かれる。本気で格好良いと思っているのか,ギャグなのか,カントリーバンドという出自を忘れずにいるための自戒なのか,判然としないまま画面に見入っているうちに,以前これに近い感想を持ったことに思い当たる。それは初めて動くザ・バンドを見ることが出来た「ラスト・ワルツ」で,ロビー・ロバートソンが着ていたど派手 . . . 本文を読む