子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

映画「ソウル・ガールズ」:スタイルや小手先のテクニックを踏み越える逞しき愛らしさ

2014年01月30日 22時25分23秒 | 映画(新作レヴュー)
オーストラリアがヴェトナム戦争に参戦していたという史実を知らなかった私の無知をさらけ出すのは誠に恥ずかしい限りだが,まさかアボリジニのコーラスグループが,アメリカのソウル・ミュージックを引っ提げて,戦火飛び交う戦場のど真ん中へ慰問に訪れていたとは。 史実に基づいて制作された「ソウル・ガールズ」は,そんな私の狭い了見や小さな常識の枠を越え,音楽の力を推進力として軽々と海を飛び越えるエネルギーに満ちた . . . 本文を読む

映画「ハンガーゲーム2」全米NO.1という惹句が通用しなくなっているのも致し方なし

2014年01月19日 22時34分48秒 | 映画(新作レヴュー)
若者の映画ファンをターゲットにした映画雑誌の不振・休刊(ロードショー)が象徴するように,洋画離れの傾向が近年著しいが,「トワイライト」サーガといい,この「ハンガーゲーム」シリーズといい,アメリカで10代から20代の若い世代を惹きつけている作品が,日本では大コケという事態が続いている。 アメリカでは「アイアンマン3」を抜いて昨年最大のヒットとなった本作も,私が観た劇場は閑古鳥が鳴いていた。ジェニファ . . . 本文を読む

映画「かぐや姫の物語」:クリエイターの野望とビジネスのバランス

2014年01月05日 22時45分08秒 | 映画(新作レヴュー)
制作費50億円という宣伝文句をどこかで目にした。制作にあたって特に新しい技術を開発するということがなければ,アニメーションの場合の制作費は,限りなく≒人件費なのではないかと思料される。 声優のギャラもかなりの額に昇るのかもしれないが,一旦人件費≒アニメーターの給料と考えてみると,大雑把に年収500万円の技術者が延べ1,000人動員された勘定になる。 仮に実質的な制作期間を3年としても,1年あたり3 . . . 本文を読む