現役の映画監督が選んだ作品を上映し,上映終了後に監督自身が作品を解説し,併せて自作や制作姿勢などについて語る札幌市芸術文化財団主催の企画「映画へと導く映画」シリーズの6回目のゲストは,「あのこは貴族」の岨手由貴子監督だった。彼女がアニエス・ヴァルダの「冬の旅」と共に選んだ「おーい!どんちゃん」の上映後は,同作の監督である沖田修一と出演した女優宮部純子がステージ挨拶をするという嬉しいサプライズもあり . . . 本文を読む
世評の高かった「マイ・ビューティフル・ランドレット」が今ひとつピンとこなかったため,イギリスの新進気鋭の映画監督スティーヴン・フリアーズとの相性は良くないのかと思いながら期待しないで観た「プリック・アップ」の切れ味の鋭さは,今も鮮明に思い出せる。ゲイリー・オールドマンの出世作でもある同作が証明した,独善に落ちることなく心の闇を抉り出すフリアーズの手腕は,娯楽色を強めつつ実話を立体的に映画化する方向 . . . 本文を読む