子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2012年ロンドン五輪 女子サッカー 決勝トーナメント 日本VSブラジル【2:0】

2012年08月04日 23時48分40秒 | サッカーあれこれ
試合後ブラジルのバルセロス監督は「日本のサッカーは,優勝候補に相応しいものではなかった」と語ったらしい。エースのマルタも,こんな展開になることは予想していなかった旨の発言をしたそうだ。
だが試合がブラジルが一方的にボールを支配し,日本が攻め込まれながらもラインを一定の高さに保ち,しっかりとブロックを固めて守る,という展開になったのは,ブラジルが上手かったからで,日本が意図的にそうした戦い方を選択した訳ではない。
それでも終わってみれば2対0。偶然入った虎の子の1点を守り切った訳ではなく,意識の統一された守りで相手に得点を許さずに2点を奪った日本は,明らかに勝者に相応しい。

3戦目はともかく,1戦目と2戦目でなでしこの調子が上がらなかった最大の理由は,外からは気を抜いたとしか見えないプレー,例えばボールホルダーに対するアプローチをさぼったり,近距離での簡単なパスのミスなどの凡プレーがあまりにも多かったからだ。マスコミはあまり報道しないが,その大半は澤,宮間,阪口ら,中盤の選手のプレーから生まれていたのは紛れもない事実だ。澤は第2戦目のスウェーデン戦で途中交代した際に不満を漏らしたと報道されていたが,交替した田中もまたミスを何度か犯しながらも,気合の入ったプレスでなでしこにパワーを注入し直したことが,はっきりと見て取れた。

だがさすがに澤は百戦錬磨のプロだった。大切な決勝トーナメント1回戦に調子を合わせ,この日はボールタッチこそ多いとは言えないものの,前でボールを奪うという意識を形にしたプレーで,イレブンを引っ張った。最初のアシストだけでなく,プレスやセカンドボールへの寄せといった地味なプレーで,中盤によいリズムを生み出していたように思う。
1ゴール,1アシストの大儀見も,昨年のW杯の時とはまたひと味違った余裕のあるプレーで,エースと呼ばれるに相応しい仕事を見せた。点には絡まなくとも献身的なチェイシングと驚異的なスタミナで善戦を支え続ける川澄のプレーもW杯時とは違って,間違いなく大きな武器となっている。

テストマッチのリヴェンジとなる次のフランス戦もまた,今日のような試合になる可能性が高い。ボールを保持できなくても要所を押さえてチャンスをものにする。
ブラジル人が何と言おうと,それで勝てれば充分に「勝者に値するサッカー」だ。胸を張って闘って貰いたい。


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