子供はかまってくれない

子供はかまってくれないし,わかってくれないので,映画と音楽と本とサッカーに慰めを。

2012年ロンドン五輪 男子サッカー 決勝トーナメント 日本VSエジプト【3:0】

2012年08月05日 11時05分26秒 | サッカーあれこれ
44年振りのセミ・ファイナル進出。実績を持った大口叩きの釜本がなし得なかったファイナル進出まであと1勝。
W杯南アフリカ大会の時の岡田ジャパンと似た状況と言われながら,ついにはそれを上回る結果を出してしまった関塚ジャパンの底力には,恐れ入るしかない。
初戦のスペイン戦で世界を驚かせた永井のスピードだけのチームではない,ということを,見事に証明して見せたイレブンの結束は,本当に何かを成し遂げてしまうかもしれない雰囲気を感じさせている。

この試合に限って言えば,一番の勝因は清武の目を瞠るような復調だ。永井の先制点に繋がる精緻なパスもさることながら,その前の相手ボールを外側から足を伸ばして奪取した技術と気迫こそが,全てだったと言って良い。
3点目に繋がる扇原へのパスの何気ない正確さもまた,本番直前に露呈していた不安定さを,完全に払拭したことを証明していた。清武らしいクリエイティブなプレーこそが,技術的に優れている上にクレバーなメキシコをもう一度ねじ伏せるための最大の武器になることは間違いない。

それでもここまで来られた最大の要因は,トーナメント進出チーム中ただ一つの無失点を継続してきた守備にあることは異論がないだろう。
吉田がセンターに入るだけでこんなにもチームの安定感が違ってくるものなのかという印象は,グループリーグの時からあったが,それは前半俊敏なパス廻しと正確なサイドチェンジで迫力ある攻撃を繰り出してきたエジプトとの試合でも変わらなかった。ドイス・ボランチのうち主に守備を担う山口が,DFの前と言うよりも,2列目の後ろに構えて前線からのこぼれ球に鋭く反応するのが,今の日本の守備の生命線となっているが,それが機能しているのも全ては吉田の的確なポジション取りあってのことだ。その信頼感は,たとえ相手がネイマール,ガンソ,パトらを擁するブラジルであっても,そう簡単には崩されないのではという期待を抱かせるレヴェルにある。

不安要素は,この試合で負傷した永井と東の回復具合と,一人チームに溶け込めず,歓喜の渦に入る術を知らないように俯いていた宇佐見の扱いくらいか。
ビジネスクラスの移動が間違いではなかったと言わせるまであとひとつ。是非とも栄冠を勝ち取って帰国して,TVで「メダルは無理」と断言した釜本と対面してくれー!


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