ザ・名も無きランナー

50才から始めたマラソン。こころと身体が一つになって燃焼している感じが好きです。楽しんで走っていきたいと思っています。

2011北海道マラソン

2011年08月29日 | 完走記

 中島公園近くのホテルに前泊。朝カーテン越しに外を覗くと陽が燦々と降り注いでいた。窓ガラスもすでに熱く火照っている。ふーっとため息が出てしまう。家族と朝食会場に向かい、普段の2倍以上ガッツリ食べた。排便を済ませていざ出発。菖蒲池の前で友人達と久しぶりに再会した。みな準備万端の様子だ。記念写真を撮った後、完走を誓い合ってそれぞれのスタート地点に移動。今回の出で立ちはこれだ。

 ガーミンがとうとう壊れ、セイコースーパーランナーズを装着。塩羊羹2本、熱塩飴5個、アスリートソルトそして終盤の水切れを想定し予備のために空のボトルを装備した。昨年重宝した日よけ帽子に加え今年はネッククーラーも身につけた。足にはサロメチール、顔、首、腕には日焼け防止乳液を丹念に塗り込んだ。昨年と同じFブロックだったが、スタート地点がもっと後方にずれていた。それだけ参加人数が増えているということなのか。スタート時の気温は28.9℃とアナウンスされた。

 12時10分号砲。スタート地点を越えるまで約3分を要した。濁流のなかで一定のペースを維持するのは難しい。なるべく走路の端を進んだ。制限時間ギリギリランナーにとっては、まず5km地点40分の関門をクリアすることが最初の目標だ。スタート時の3分のロスを除くと、平均6分/kmのペースで進む。(5km:33分38秒)

 給水は毎回積極的に摂っていくことにする。アスリートソルトをかじってから水を飲み、次に水を身体にかけ、最後にスポドリを飲む、という作戦だ。創成トンネルの中は蒸し暑く、歓声もないままにごうごうと流れてゆく。地上に出ると風がさわやかで気持ちよかった。(10km:30分57秒、1時間04分35秒)
 
 気温が上がってきている気配を感じたのでスポンジで水を頭、首、脇の下、太腿にかける。尿意を感じ出すが、以前このあたりでコンビニのトイレを利用させてもらい、たいそう時間を喰ったことを思い出し、もう少し我慢することにした。路肩のコースは凹凸があり注意が必要。(15km:30分36秒、1時間35分01秒)

 新琴似1番通りに入る。例年この付近で折り返してきた1位の選手とすれ違うのだが、今年はこのタイミングが遅い気がする。と、思っていたらやがて集団で通過していった。左折してしばらく進むと今度は女子の先頭集団がすれ違って行った。これを見送ってから、18km地点手前のガソリンスタンドのトイレに駆け込んだ。しかし残念ながら今年もここで数分待たされた。その間初出場のランナーにこれからのコースを尋ねられて簡単に説明。若干休養できた、と気持ちを入れ替え、新川通に入った。(20km:33分34秒、2時間08分35秒)

 水を補給し、給食のバナナを貪り喰う。コース上には日差しを遮るものが全く無く、これからしばらくが正念場と肝に銘じる。中間地点を2時間16分で通過。このまま行けば4時間30分前後だが、どこまでこのペースを維持できるかが課題だ。熱塩飴を口に放り込んだ。この辺は私設エイドが点在しているが、一人団体の私は黙々と進むのみ。「凄い、凄い、みんなかっこいいよ~」と威勢の良い声で応援をしてくれる女性がいて、たいそう元気をもらった。すれ違う折り返しランナーの数もだんだんと増えてきた。(25km:33分07秒、2時間41分42秒)

 ようやく私にも折り返し地点がやってきた。多くの選手がマーカーにタッチしてUターンして行くので私も記念に触れておく。足の張りを感じるようになってきたが、なんとか最後までもってくれることを願い、ひたすら前をみつめ、雑念無く進んだ。多分暑いのだろうが、日よけ帽子のおかげか、湿度が高くないせいか、私自身は今年もそれほど暑さを感じない。(30km:31分58秒、3時間13分40秒)
 
 30km地点で羊羹を食べようと思っていたら、バナナが待っていたので、それを一気に2つ頬張った。しばし立ち止まって給水し、用意していた空ボトルを水で満水にした。さらに飴をなめながら先を目指す。収容バスと行き違った。昨年よりはそのポイントが遅いのは今年の方がタイムが良いからだ。気を引き締めてフォームを正す。新琴似1番通りに戻ってくると、ちらほら日陰が出現し涼しくなる。道路の紙コップやスポンジの散乱が激しく、足を取られそうになる。(35km:35分14秒、3時間48分54秒)

 35km地点到着。走路の端によって立ち止まり、ご褒美の羊羹を食し、ボトルに水を補給した。なんとかこのまま行けば5時間以内にゴールできそうだが、油断は禁物。終盤が怖い。このあたりからは給水地点の間隔が短く、水分摂りすぎの感がなくもない。36km地点近くで、昨年と同じガソリンスタンドのトイレを今年も利用させてもらった。おっ、誰もいない、ラッキー。道の脇でいすに腰をかけて応援している初老の男性が「凄いな~立派です」と声をかけ続けてくれていた。有り難いお言葉である。自分の方から、思わず「頑張ります」と言いたくなってしまう。これからのスピード減をどのレベルで止められるかが鍵だ。遂に北大構内に入ってゆく。今年は学生の応援が随分少ない気がする。(40km:35分29秒、4時間24分23秒)

 正直言って足が棒のようになっている。やめて良いと言われたら何時でも簡単にやめられる。でも誰もそうは言わない。むしろあともう少しだと叫んでいる。残りは歩いても5時間以内に到着できそうだと思うのだが、なかなか自分がそれを許さない。緊張の糸が切れそうな状態で進んでいると、北大構内の終盤にハイタッチの長い列が出来ていた。その流れに沿って最後まで力を緩めずにハイタッチを続けていたら、不思議なことに最後には自分で「よ~し」と声を出していた。これが力をもらうと言うことなのか!その後は残った力を振り絞るようにしてゴールを目指した。北大通りに入った最後の直線、家族が応援してくれているはずなので、歯を食いしばって懸命に走った。(ゴール:15分02秒、正式タイム:4時間39分39秒)



 この写真を見て驚いた。なぜならゴール前の走る姿で私の片足が浮いている瞬間を捉えたものは実は数少ないのだ。これまではまるで競歩のような状態で映っているのが殆どだった。これは私にとっては珍しい写真だったので公開!
 今回のレースは、終始歩くこともなく、また最後まで急激なペースダウンも無く走り通せたので、私としては久しぶりに満足のいくものだった。有終の美とはいかないまでも、これをもってフルマラソンを卒業するに相応しい会心のレースだったと言えるだろう。その記念の完走メダルがこの安田侃メダルである。



 フィニッシュ後は初めて救護テントに向かった。両足がわなわなとしていたからだ。そこで若い理学療法士さんにマッサージを受けている最中に、本当に足の指や肩の筋肉が攣ってくる羽目に陥った。みなさんの介抱をうけて少し楽になったが、点滴を受けて横になっている重症の人たちの中で自分はたいしたことがなく見えたので、早急にテントを後にした。その時一瞬そこでボランティアとして手伝っている娘の姿が見えた。こんな経緯があったので、家族との待ち合わせにはかなり遅れてしまった。連絡も取れず心配させてしまって申し訳なかったね。


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6 コメント

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Unknown (半農半遊人)
2011-08-29 22:22:40
完走、おめでとう!
その頑張りに脱帽です。

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ありがとう! (北の大地)
2011-08-30 07:49:25
 レースそのものよりも、時間の無い私にとっては、完走するための時々の練習の方がきつかったです。今後はその時間を別なものに使っていきたいと思っています。フルは卒業です。
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Unknown (おやぢ)
2011-09-01 08:14:34
完走おめでとうございます!
満足のレースだったようですね。
名簿で名前を見つけていたので、どうだったかな~と思ってました。

ところでフルは卒業してしまうんですね。
「フルは」なんですよね?
また、どこかの大会でお会いできるかな?

それでは、また。
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おやぢさんへ (北の大地)
2011-09-01 09:21:01
ご無沙汰してます。
国内のマラソンレースはこれからが本番のようですが、私の中ではこれでもう終わったような気分です。虚脱…。
とは言いつつも、9月は函館ハーフにエントリーしているので、楽しんできます。
今後はハーフを中心に走っていきますから、必ずどこかでお会いできると思います。
では、また。
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遅くなりましたが、 (ヒラオカのゲン)
2011-09-05 15:05:59
完走、お疲れさまでした。

フルは卒業なんですか、確かに練習には多くの時間を割かなければなりません。

今後、ハーフを中心にとのことですが、またどこかでお会いできればと思います。

同い年、健康に気をつけて余生?を楽しみましょう。
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ゲンさんへ (北の大地)
2011-09-05 20:17:58
お久しぶりです。そしてコメントありがとうございます。

フルからの離脱の理由は、仰るとおり、練習にかなりの時間を要するということが一番です。当面ランはストレス解消目的に続けていこうと思っています。たまにはハーフの大会で緊張も味わってみるつもりです。今季最終レースは函館ハーフ。またとどこかでお会いできるのを楽しみにしていますね。

単身赴任中のようですが、ランの時間を捻出するのが大変でしょうね。お互い健康に留意して、残りの人生を楽しんでいきましょう!
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