ザ・名も無きランナー

50才から始めたマラソン。こころと身体が一つになって燃焼している感じが好きです。楽しんで走っていきたいと思っています。

3つの疑問(カーボローディング、給食、給水)

2008年10月12日 | 自己分析
★別海パイロットマラソンでの、カーボローディング、給食、給水について

 今年は昨年に比べて走れていない。理由はいくつかあるが、言い訳にはならない。そんな明らかな練習不足の中で臨んだ別海パイロットマラソン。なんとかしなければと思って、今回もまた懲りずに姑息的なことを考えてしまった。それはカーボローディングである。だがそのための食事の準備は自分ではできない。そこでいつものように女房に協力を依頼した。あとは食事量をどれだけ管理できるのかという自分の意思次第となった。

★自験例呈示

 1週前の日曜日に26kmのLSDをこなしてからご飯を少なくして肉類を多くする食事内容に替えてもらった。月・火・水曜日とランはお休み、というか時間の都合がつかなかった。これで前半は体重56kg台をキープ。身体はなんとなく皮膚がつっぱり、動作が硬くてぎこちない感じがした。思考もなめらかさを失い、どこか根気がなく「まあいいかっ」というような調子であった。一番の大きな変化は便が柔らかくなって毎日出づらくなったことであった。
 木曜日の朝に20kmのLSDを済ませてからは、ご飯を多めにして肉類よりも野菜を摂るようにした。ランはせず休養に努めた。思考には柔軟性が戻ってきたように感じた。しかし身体は重く、お腹がもたれる感じが続き、明らかに便秘となった。レース前夜には体重が+3kgとなっていた。これは食べ過ぎの結果と言って良いのかどうか分からず終いであった。排便は無く、非常に気がかりであった。
レース当日の朝、朝食にご飯を2膳、大福を1個食べた。他にサプリメントとしてL-カルニチン(170mg×)3錠、コエンザイムQ10(30mg×)2カプセルを服用。時間をかけてポカリスエット500mlを1本飲む。念じた甲斐あって、レース前に排便有りホッとした。
 レース最中の給食は、パワーバーのジェル(120kcal×)3本、サプリメントとしてアミノバリューBCAA200mg(12.9kcal)1本、シトリックアミノ(23.5kcal)1本、そして途中でバナナ1本分(110kcal)をいただいた。給水は、各ポイントで水ないしスポーツドリンクをコップ2杯分程度いただいた。
 レース中の走りとしては、30km地点までは平均5分30秒/kmのペースで進むことができたが、その後徐々に足が重くなり、ゴール手前では7分/kmにまで減速した。一番困ったのは、35km地点あたりからお腹に水が溜まったように気持ちが悪くなり、吐きそうな気配が続いたことであった。スタート時には丁度良かった、ウエストポーチの締まり具合が最後にはとてもきつく感じられるようになっていた。吐かずに済んだのが何よりの幸いであった。
 レース後、自然排尿があり、心配していた血尿はなく安心した。なお便の性状がふつうに戻ったのは2日後であった。身体のむくみがひけたと感じたのは4,5日後、体重が56kg台に戻ったのは1週間後であった。

★カーボローディングについての疑問

 一番大変だったのは、私のわがままに付き合って食事の準備を担当してくれた女房だったと思われる。まず女房に心からの感謝を申し上げておきたい。次に体験として最も難儀したのは、便の性状が軟らかくなり、毎日スッキリと出なくなったことだ。レース前日に排便が無かった時は心配したが、当日のレース前になって排便がありようやく安心できた。カーボローディングの後半、ご飯中心の食事になってからは、十分に気をつけていたはずなのだが、リバウンドが生じて知らず知らずのうちに食べ過ぎていたのかもしれない。レース前夜にふだんより+3kgも増加していたのにはビックリした。結果的に体重管理の面では逆の効果が出てしまったようだ。レースに対しての影響という点からは、客観的な評価尺度が無いのでなんとも言えない。主観的にはレース終了後にはいつもと同じように強烈な疲労がやってきた。レース中にハンガーノックを経験しないで済んだのは良かったが、実は一度も体験したことがないので、ハンガーノックがどんなものかが分からないというのが正しいところだ。
 今回のカーボローディングは正式・確実なものではなかったが、実際に体験してみて、途中から排便に難儀を感じたこと、レース前夜にかえって体重増加を招いたこと、レースでこれぞという効果を実感できなかったことなどを考えると、果たしてカーボローディングにはそれほどの価値があるのか、私には疑問である。

★給食についての疑問

 今回のフルマラソンで消費したエネルギーはFR301の計測によれば約3000kcalであった。エイドでの給食および携帯食は、レース途中でのエネルギー枯渇(ハンガーノック)への予防対策と考えられる。
 今回のレースでは、私は携帯したパワーバーのジェルを計3本(360kcal)、25km、30km、35kmの各地点で摂取した。また35km地点でバナナを1本(110kcal)いただき、さらに途中でサプリメントから合計36.4kcalのエネルギーを得た。またレース前のカーボローディングで約2000kcalのグリコーゲンを体内に蓄えていたと推測されるので、ブドウ糖に変換されたエネルギーは合計約2500kcalだったと推測される。
 以上を勘案すると今回のレースでは約500kcalの不足となるが、途中で特に空腹を感じたとか、急激に足が動かなくなるとか、意識が遠のくような感じになったということはなかった。
 別海のレースには約1000人のランナーが参加したということであるが、見たところ補食を携帯していると思われるランナーの数は非常に少なかった。先にも述べたが、私自身ハンガーノックというものを経験したことがないので、それがどういうものか分からないが、果たして現実にハンガーノックで倒れる人はどのくらいいるのだろうか。人はランで使用するエネルギーを全てブドウ糖で賄っているわけではなく、有酸素運動で脂肪を分解することによって大量のエネルギーを得ているわけだから、途中でブドウ糖エネルギーを補給する必要が本当にあるのか、私にはちょっと疑問に思えてきた。
 ところでハンガーノック(hunger knock)という言葉だが、和製英語だという説がある。英語ではhit the wall、またはbonkingと言うらしい。

★給水について疑問

 これまでのレースで私は終了後に血尿が出たことが2回ある。今回は各ポイントで毎回コップ1,2杯の給水を意識的に摂った。そのせいか途中でひどい口渇に見舞われることはなかったし、給水が十分であったことの証拠としてレース後に自然排尿が生じ、また幸い血尿も見ずに済んだ。しかしそれ以上に困ったのは、レース終盤にお腹に水が溜まったように苦しくなり、吐き気が続いたことである。ウエストポーチがきつく感じられるほどお腹のあたりが張っていたのは確かだ。このことは給水が過剰だったことを示しているのか、それとも何か他に理由があるのか、分からない。気象条件にもよるのだろうが、フルマラソンの間に果たしてどの程度の給水が望ましいのか、私には疑問となって残った。