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映画「嗚呼!おんなたち・猥歌」内田裕也

2019-06-14 20:12:43 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「嗚呼!おんなたち・猥歌」を観てきました。

内田裕也特集の神代辰巳監督とのコンビのもう一作である。自由奔放な内田裕也と過激な演出の神代辰巳監督との相性はいい。内田裕也はロック歌手を演じる。ロックの帝王といっても、これといったヒット曲がないのが内田裕也である。女癖の悪い売れないロック歌手というキャラはいかにも自らを演じているのでやりやすいだろう。1981年キネマ旬報ベストテン第5位とやけに評価はいい。内田裕也のハチャメチャさがうまく引き出せている。


売れないロック歌手ジョージ(内田裕也)は妻(絵沢萌子)と別居中で、今は風俗嬢の佳江(角ゆり子)のヒモ同然の暮しをしている。ある日、結婚に煮え切らないジョージの態度に、佳江はヒステリーを起こし彼の運転する車のハンドルを一方に切りまくり車は横転大破する。佳江は重傷を負い入院するが、ジョージはカスリ傷だった。ジョージは病院で眠っている佳江の隣りのベッドで看護婦の羊子(中村れい子)と話すうち強引に犯していった。

ジョージはマネジャーのユタカ(安岡力也)と新曲のキャンペーンでレコード店に行き、街頭に立ち歌うが誰からも相手にされない。キャバレーで歌っていても、客に野次られ喧嘩になってしまう。子供の誕生日に、ジョージはプレゼントを持って久しぶりに家へ戻るが、妻からなじられる。ある日、佳江は羊子の存在に気づき、彼と別れてくれと迫り大ゲンカ、でもやがて、二人の間に奇妙な親近感が生まれ、妙な三角関係となっていく。


その頃、売り込み効果が出て新曲が有線放送の二十九位にランクされた。ジョージはマネージャーのユタカと喜びを分かち合うが、悪い女癖がでて控え室にいたユタカの恋人の一美(太田あや子)を犯してしまう。一美は警察に訴えジョージは留置されてしまうのであるが。。。

1.売れないロック歌手
ここでは内田裕也自身のキャラが生かされる。東京の下町商店街あたりでは今でも見るようなレコード屋でマイクを持って前に立つ。演歌中心にDVDやカセットが置いてあるレコード屋に売れない歌手がきてキャンペーンを張っているのは今も同じ。通り過ぎる人で物珍しそうな顔で一瞥する人もいるが、止まって聞く人はほとんどいない。


あとはキャバレーどさ周り。80年代までは東京でもグランドキャバレー的な店はいくつもあった。典型的なロックンロールのイントロで始まる「コミック雑誌はいらない」を歌う。店に来ている客は演奏など気にせず、大きな声で女の子をからかっている。なぜかむかつき、客と喧嘩。いかにも売れない歌手モード満載である。


確かに内田裕也に代表曲というのはない。でも死ぬまで何かインタビューをされたら、最後に「ロックンロール」とのたまう。その一貫性に誰もがすごいと思う。これだけいい加減で悪態ついてもムカつかないキャラだ。アウトローであっても暗くない。基本的にネアカだと思う。映画を見ての後味がいい。

2.ソープでなくトルコ
この時代はまだソープでなくトルコである。 いきなり角ゆり子が泡まみれになって泡踊りをしているトルコ風呂シーンから映し出す。客には懐かしの黒田征太郎もでている。途中でトルコ嬢の佳江が羊子にどんなことやるのと頼まれて秘技を加える。当然感じまくりでジョージはカヤの外だ。そのあとで大物ピンク女優珠瑠美が演じる有閑マダムが女性用トルコに入り、内田裕也が奉仕するというシーンがある。脂がのった珠瑠美の身体を泡だらけにして内田裕也が楽しんでいる。脚本の荒井晴彦にこういうのをやらせろよと言っているみたいだ。

3.中村れい子
これがいい女で、この当時大好きだった。「水のないプール」内田裕也と再共演する。当時としては現代的美貌に加えて、しなやかな肢体の中村れい子に当時ノックアウトした男どもは多かった。男好きする甘ったるい声もいい。あか抜けない感じの看護婦役で登場するが、徐々に色っぽく熟れてくる。

内田裕也のお気に入りといった感じだ。

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