映画「アマチュア」を映画館で観てきました。
映画「アマチュア」はアカデミー賞俳優ラミ・マレック主演のアクション作品。監督はジェームズ・ホーズ。CIA分析官がテロで亡くなった妻の敵討ちをするなんて話は、リーアムニーソンの主演作や日本の時代劇にもあり得そうな話だ。ただ、こういう時敵討ちに向かうのは元凄腕のエージェントだったり剣の達人だったりする。でも、ラミマレック演じるチャーリーはあくまで「アマチュア」で殺しのプロではない。まさにCIA職員でも常人と同じなのだ。銃を扱ったこともない。
予告編を観るとおもしろそうだ。末梢神経を刺激するアクション映画を最近回避しがちだけど、これは娯楽として楽しめそうだ。久々に20世紀foxのファンファーレを聞いたあと、舞台はCIAの本拠地アメリカのラングレーからロンドン、パリ、イスタンブール、マドリードと007シリーズやミッションインポッシブルのように世界を横断する。
愛する妻(レイチェル・ブロズナハン)と平穏な日々を過ごす、CIA分析官チャーリー・ヘラー(ラミ・マレック)。しかし、妻がロンドンで無差別テロによって命を奪われたことで、すべてが変わる。最愛の妻を殺したテロリストたちへの復讐を決意し、CIAの上官に特殊スパイとしてのトレーニングを志願し、さらに、CIAすらも予測できない“彼ならではの方法”で、テロリストたちを追い詰めていく。だが、その裏には驚くべき陰謀が隠されていた。(作品情報 引用)
発想はおもしろいが、展開についていくのがやっとだった。
映画のせいではなく、自分の理解度の問題かもしれない。スパイ映画はある意味騙し合いで、昨日の友が今日の敵に往々にしてなることが多い。妻がテロの犠牲になったあと、CIAとテロ組織の関係がゴチャゴチャして頭の整理がつかない。敵討ちに向かった後で、何で主人公が狙われるのか考えているうちに頭が炸裂する。娯楽としては楽しめたが、自分の反射神経の鈍さですばやい展開についていけない。
CIA分析官のチャーリーはIQが高い有能な分析官だ。CPU上の情報や路上カメラの画像の収集などを通じて、テロに巻き込まれて亡くなった妻を殺害したグループを即座に割り出す。すると復讐に燃えるのだ。でも、CIAといっても格闘や銃の訓練も受けていない。上官に志願して腕利きの教官(ローレンスフィッシュバーン)から指導を受けても、お前には相手を殺せないと言われてしまう。そんな調子でも、テロ組織に立ち向かう。気がつくと、機密情報を外部に持ち出して勝手に行動するのでCIA当局からも狙われる存在になる。
組織の指示で動かないとなると、孤独な一匹狼状態になってしまう。絶体絶命だ。路上カメラなどで位置情報はCIAにわかってしまう。チャーリーはテロ組織の犯人を追うだけでなく、自分を教えた腕利きのCIA教官にマークされる。そんな時、もともとCPU上で情報交換していた女性インクワライン(カトリーナ・バルフ) と繋がることができる。CIA内部と同じようにインクワラインはあらゆる情報をキャッチできるのだ。
ボンドガールといえば、毎回美女がミッションの鍵になる歴史がある。ここでも似たようなキーとなる女性をクローズアップさせる。トップモデル出身のカトリーナ・バルフがカッコいい。イスタンブール居住の謎の美女を味方に入れてピンチを乗り越えていく。こんな話はおもしろいし、ビルの階上にあるプールを破壊させたり、敵の女を閉じ込めて花粉責めにしたり、謎の美女と逃げ回ったりと金がかかっているなと思わせる鋭いシーンも多い。でも、絶賛というところまではいかないかな。
それよりも人間社会がすごい監視社会になっていることに恐ろしく感じる。