映画「ベイビーガール」を映画館で観てきました。
映画「ベイビーガール」はニコールキッドマン主演のA24映画。ニューヨークの女性CEOが若い青年との性に狂う展開は予告編で読める。気がつくともう60近くなのにまだまだ女性として現役であるのを示してくれる。ベネチア国際映画祭最優秀女優賞まで受賞している。
ペドロアルモドバル作品でおなじみのアントニオバンデラスが夫役であっても影が薄く、メインはインターンで働きに来ている青年ハリス・ディキンソンがCEOのアバンチュールのお相手だ。インテリアや美術関係はいかにもアメリカ映画らしくレベルが高い。監督・脚本はオランダ人女性のハリナ・ラインで、女性たちがどういう風にこの映画を観るのかが関心がある。
ロミー(ニコール・キッドマン)はニューヨークのロボティック企業のCEOで舞台演出家の夫(アントニオ・バンデラス)と10代の2人の娘と暮らしている。その会社にインターンとしてサミュエル(ハリス・ディキンソン)が入ってくる。サミュエルが街で狂犬を手なずけているのをたまたま見て気になる存在だった。
たまたまインターンのメンターを指名が可能な制度にかわって、サミュエルがCEOのロミーを選ぶ。多忙なロミーのわずかな時間でのワンオンワンミーティングで、2人は急速に接近する。サミュエルはロミーの満たされない性的欲求を満たして禁断の世界から離れられなくなる。
ニコールキッドマンがひたすらエロい。
女性監督ハリナ・ラインの視線が自分の目線を大きく上をいく。理解を超越する。いきなりニコールキッドマンがアントニオバンデラスと夫婦の営みを見せるシーンが出てくる。あえぐニコールが情事が終わるとパソコンを持って別の部屋に行き、ポルノ動画を見ながらオナニーにふけるのだ。え!終わったばかりなのに。そこで好きモノなんだな!?と観客に示してから映画がスタートするのだ。
日本映画「ラストマイル」でも登場したAmazon ぽい配送センターでの自動仕分け機械をような映像が映る。ニコールキッドマン演じるロミーはいわゆる自動化のロボティック産業のCEOということなんだろう。イェール大学出で投資会社に勤めてからキャリアを積んだとするロミーは服装から振る舞いから家庭生活まで完璧だ。
そんな完璧な女性の前に現れた青年サミュエルに狂うようになるのだ。それこそこんな女社長と若い青年なんて題材は往年の日活ポルノやAVにもいくらでもある。でも陳腐にならないのは天下のオスカー女優ニコールキッドマンが登場するからであろう。バックもニューヨークのオフィスと街角と自宅の最高のインテリアだ。ニューヨークのクラブのシーンはゴージャスだ。長身のニコールキッドマンよりも背が高くいい男のハリス・ディキンソンに狂って変態プレイまでやってしまう。サミュエルに関心を持ったロミーの秘書に嫉妬して排除しようとする。
いつもは完璧な二枚目のアントニオバンデラスが妻のニコールキッドマンに夜迫っていくのに、サミュエルと交わるようになると、夜の営みを拒否される。あなたとしてもオーガズムを感じないと言われるシーンが印象的だ。胸毛ふさふさの男っぽいアントニオバンデラスが情けなく見えてしまう。男性監督が描くのではなく、女性目線で描くのに意義がある気がした。ニコールキッドマンのスタイルは今でも完璧で、バストトップや小さ目の乳首も絶妙のショットで見せてくれる。その自由奔放さは世の女性の羨望の眼差しを浴びるだろう。