「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」
4月上旬に顔に大ケガをした。夜の会合が重なりつかれてきて、そろそろ抑えようと思った時である。かなり強い精神的な打撃を受けた。翌日は片目は見えず、2日間会社を休んだあと、サングラスをして出勤。人様に見せられる顔でなくなったのだ。当然酒は飲まず、会合があってもウーロン茶で済ます。これまででは考えられない話である。憂鬱でブログの更新も2か月しなかった。約一か月酒断ちした後、業界の会合で復活、何回か飲んだ。でも完全に治るまではやはり断酒しようと今は禁酒中である。
そうすると頭は冴える。4月下旬から読書のピッチは上がった。ちょうどいい具合にゴールデンウィークとなる。自分自身は最初と最後に出勤して8連休とした。そんな時にピックアップしたのが前野隆司「幸せのメカニズム」である。その本でポジティブ心理学というものを知る。
筆者は身体的な要因、性格や心の状態、社会的自己の状態などの「幸せのチェックリスト」をつくってチェックが多いほど幸せなのかどうかと調べた。その際、チェックが少なくても幸せだという人にであう。もしそうならば、どれを満たせばよいのかということで幸せの因子分析を行う。これは多変量解析の一種で、4つの因子を心的要因に絞り第一因子「やってみよう」因子(自己実現と成長)、第二因子「ありがとう」因子(つながりと感謝)、第三因子「なんとかなる」因子(前向きと楽観)、第四因子「あなたらしく」因子(独立とマイペース)にわけて質問と回答によるデータを分析していくのだ。(前野 2013 pp.96-111)
へえこんな手法あるのかと思い、ポジティブ心理学の本を次々と読み進めていく。
「実践ポジティブ心理学」 前野 隆司、「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」 バーバラ・フレドリクソン、「オプティミストはなぜ成功するか」、「ポジティブ心理学の挑戦」、「つよい子を育てる心のワクチン」 マーティン・セリグマン、「ポジティブ心理学が1冊でわかる本」 イロ―ナ・ボニウェルの6冊はまず読んだ。イロ―ナ・ボニウェルによれば、ポジティブ心理学とは「人間の生活におけるポジティブな側面、つまり、幸福やウェルビーイング、繁栄について研究する学問」であるとする。(ボニウェル 2015 p.22)
「実践ポジティブ心理学」「ポジティブ心理学が1冊でわかる本」の2冊でポジティブ心理学の概要をつかむ中で、ポジティブとネガティブの比率に着目した「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」の内容が気になった。
まずフレドリクソンはポジティビティが持つ6つの重要な事実を説明する。
事実1 ポジティビティは気分がいい。
「いい気分」こそ生き方を変える動機づけになる
事実2 ポジティビティは精神の働きを変化させる。
ポジティビティが思考の幅を広げる
事実3 ポジティビティは未来を変える。
ポジティブな感情を経験するうちに人が自分の中に蓄えている能力やエネルギー(リソース)を形成する。
事実4 ポジティビティはネガティビティにブレーキをかける。
ポジティビティこそが困難から立ち直る秘密のカギ
事実5 ポジティビティは「ティッピングポイント」をもつ。
いい瞬間が続いて起こると、さらに上昇外向モードになって、もはや下降・内向が起こらなくなる。
事実6 ポジティビティは増やすことができる。
ポジティビティを増やすことで、新たな可能性を発見し、挫折から立ち直り、良い人間関係を築き、自分をよい状態に保つことができる。
バーバラ・フレドリクソンはポジティブでいることの2つの効果について語る。1つは拡張効果でポジティビティは精神の働きを広げ視野を拡大するとする。ポジティビティで広い視野を持てば上方スパイラルが起きるとする。広い視野で異質のものを取り入れると相乗効果がでていい成果を得ることができるのだ。またポジティビティでいると悪い感情を流し切り、逆境の時に解決策を思いつくこともできる。逆境に耐えうるレジリエンスの力をアップさせる。速やかに立ち直る人は、ストレスに直面したときに、ほかの人に比べて複合的な感情を持っているのである。(フレドリクソン p109,p156,p183)
もう1つは形成効果でポジティビティが個人的リソースを形成して人を成長させるとする。ポジティビティにより心を開く実験により証明する試みも行われている。それにより生き方をよい方向に転換させるのに有効であることがわかった。また、人とかかわるときにポジティビティは大きく上昇することもわかる。かかわりによって活力が得られるのである。
ポジティビティとネガティビティの割合を少なくとも「3:1」にする。
フレドリクソンはネガティビティもまた大事で、ネガティビティなしの繁栄などないとする。(フレドリクソン pp.62-63 )ゴットマン博士によると「繁栄する結婚」のポジティビティ比はおよそ「5:1」、ロバート・シュワルツ博士によれば、最適なポジティビティ比が「4:1」、大多数の人の比率は「2:1」、うつ病は「1:1」以下であるとしている。(フレドリクソン pp.190-191 )いずれもゼロとしないところが、肝心である。ネガティビティゼロは現実から遊離しているのだ。
うつ病というわけではないが、思い切って目の前にある対象の事柄に飛び込めない奴も多い。常に言い訳を言いつつ前に進めない。目標はネガティビテイを減らすことで、完全になくすことはない。減らすべきは、不適切で不当なネガティビティ。(フレドリクソン pp.224 )そうして、ネガティブ思考に反論するエクササイズを示す。マーティンセリグマンの本でも取り上げられた。
気持ちは何が起こっても何とかなるだろうというスタンスが大切なのであろう。
長い人生いろんな上司についた。ガードが固く人の行動を常に疑問視する性悪説の人もいる。一方であいつはやってくれるだろうと人を信じる性善説の人もいる。両方支えたが、性悪説が正解の局面に出くわしたことも多い。営業状況の確認やプロジェクトの進行のチェックにあたって任せぱなしではうまくいかないことも多い。そういうのをネガティヴというのかはわからない。ただ、ふつうにルーティン的な業務であれば、人に任せて何も問題ないと思う。むしろ「9:1」くらいルーティン的に業務が流れるように下を育てることが必要なんだろう。でも我々が取り組むことの難易度には差がある。平常時とそうでない時の比率を「3:1」と考えると間違いなく業務が流れるのであろう。
営業の世界で自信過剰な奴っている。すべて自分の都合のいいように解釈して、常にハイで前向きに進む。それ自体はいいことである。前足はよく、仕事をとってきても、ネガティヴゼロで用心深くない奴も多い。必ずどこかで引っかかる。関係者にも大きな迷惑をかけていることも多い。こういう奴が「3:1」のリズムがベストと考え、自分を振り返るコツを覚えたら押しも押されぬトップセールスになるのであろう。
これからも読んでポジティブ心理学というものを整理してみたい。
4月上旬に顔に大ケガをした。夜の会合が重なりつかれてきて、そろそろ抑えようと思った時である。かなり強い精神的な打撃を受けた。翌日は片目は見えず、2日間会社を休んだあと、サングラスをして出勤。人様に見せられる顔でなくなったのだ。当然酒は飲まず、会合があってもウーロン茶で済ます。これまででは考えられない話である。憂鬱でブログの更新も2か月しなかった。約一か月酒断ちした後、業界の会合で復活、何回か飲んだ。でも完全に治るまではやはり断酒しようと今は禁酒中である。
そうすると頭は冴える。4月下旬から読書のピッチは上がった。ちょうどいい具合にゴールデンウィークとなる。自分自身は最初と最後に出勤して8連休とした。そんな時にピックアップしたのが前野隆司「幸せのメカニズム」である。その本でポジティブ心理学というものを知る。
筆者は身体的な要因、性格や心の状態、社会的自己の状態などの「幸せのチェックリスト」をつくってチェックが多いほど幸せなのかどうかと調べた。その際、チェックが少なくても幸せだという人にであう。もしそうならば、どれを満たせばよいのかということで幸せの因子分析を行う。これは多変量解析の一種で、4つの因子を心的要因に絞り第一因子「やってみよう」因子(自己実現と成長)、第二因子「ありがとう」因子(つながりと感謝)、第三因子「なんとかなる」因子(前向きと楽観)、第四因子「あなたらしく」因子(独立とマイペース)にわけて質問と回答によるデータを分析していくのだ。(前野 2013 pp.96-111)
幸せのメカニズム 実践・幸福学入門 | |
前野 隆司 | |
へえこんな手法あるのかと思い、ポジティブ心理学の本を次々と読み進めていく。
「実践ポジティブ心理学」 前野 隆司、「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」 バーバラ・フレドリクソン、「オプティミストはなぜ成功するか」、「ポジティブ心理学の挑戦」、「つよい子を育てる心のワクチン」 マーティン・セリグマン、「ポジティブ心理学が1冊でわかる本」 イロ―ナ・ボニウェルの6冊はまず読んだ。イロ―ナ・ボニウェルによれば、ポジティブ心理学とは「人間の生活におけるポジティブな側面、つまり、幸福やウェルビーイング、繁栄について研究する学問」であるとする。(ボニウェル 2015 p.22)
「実践ポジティブ心理学」「ポジティブ心理学が1冊でわかる本」の2冊でポジティブ心理学の概要をつかむ中で、ポジティブとネガティブの比率に着目した「ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則」の内容が気になった。
ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則 | |
まずフレドリクソンはポジティビティが持つ6つの重要な事実を説明する。
事実1 ポジティビティは気分がいい。
「いい気分」こそ生き方を変える動機づけになる
事実2 ポジティビティは精神の働きを変化させる。
ポジティビティが思考の幅を広げる
事実3 ポジティビティは未来を変える。
ポジティブな感情を経験するうちに人が自分の中に蓄えている能力やエネルギー(リソース)を形成する。
事実4 ポジティビティはネガティビティにブレーキをかける。
ポジティビティこそが困難から立ち直る秘密のカギ
事実5 ポジティビティは「ティッピングポイント」をもつ。
いい瞬間が続いて起こると、さらに上昇外向モードになって、もはや下降・内向が起こらなくなる。
事実6 ポジティビティは増やすことができる。
ポジティビティを増やすことで、新たな可能性を発見し、挫折から立ち直り、良い人間関係を築き、自分をよい状態に保つことができる。
バーバラ・フレドリクソンはポジティブでいることの2つの効果について語る。1つは拡張効果でポジティビティは精神の働きを広げ視野を拡大するとする。ポジティビティで広い視野を持てば上方スパイラルが起きるとする。広い視野で異質のものを取り入れると相乗効果がでていい成果を得ることができるのだ。またポジティビティでいると悪い感情を流し切り、逆境の時に解決策を思いつくこともできる。逆境に耐えうるレジリエンスの力をアップさせる。速やかに立ち直る人は、ストレスに直面したときに、ほかの人に比べて複合的な感情を持っているのである。(フレドリクソン p109,p156,p183)
もう1つは形成効果でポジティビティが個人的リソースを形成して人を成長させるとする。ポジティビティにより心を開く実験により証明する試みも行われている。それにより生き方をよい方向に転換させるのに有効であることがわかった。また、人とかかわるときにポジティビティは大きく上昇することもわかる。かかわりによって活力が得られるのである。
ポジティビティとネガティビティの割合を少なくとも「3:1」にする。
フレドリクソンはネガティビティもまた大事で、ネガティビティなしの繁栄などないとする。(フレドリクソン pp.62-63 )ゴットマン博士によると「繁栄する結婚」のポジティビティ比はおよそ「5:1」、ロバート・シュワルツ博士によれば、最適なポジティビティ比が「4:1」、大多数の人の比率は「2:1」、うつ病は「1:1」以下であるとしている。(フレドリクソン pp.190-191 )いずれもゼロとしないところが、肝心である。ネガティビティゼロは現実から遊離しているのだ。
うつ病というわけではないが、思い切って目の前にある対象の事柄に飛び込めない奴も多い。常に言い訳を言いつつ前に進めない。目標はネガティビテイを減らすことで、完全になくすことはない。減らすべきは、不適切で不当なネガティビティ。(フレドリクソン pp.224 )そうして、ネガティブ思考に反論するエクササイズを示す。マーティンセリグマンの本でも取り上げられた。
気持ちは何が起こっても何とかなるだろうというスタンスが大切なのであろう。
オプティミストはなぜ成功するか | |
マーティン・セリグマン | |
長い人生いろんな上司についた。ガードが固く人の行動を常に疑問視する性悪説の人もいる。一方であいつはやってくれるだろうと人を信じる性善説の人もいる。両方支えたが、性悪説が正解の局面に出くわしたことも多い。営業状況の確認やプロジェクトの進行のチェックにあたって任せぱなしではうまくいかないことも多い。そういうのをネガティヴというのかはわからない。ただ、ふつうにルーティン的な業務であれば、人に任せて何も問題ないと思う。むしろ「9:1」くらいルーティン的に業務が流れるように下を育てることが必要なんだろう。でも我々が取り組むことの難易度には差がある。平常時とそうでない時の比率を「3:1」と考えると間違いなく業務が流れるのであろう。
営業の世界で自信過剰な奴っている。すべて自分の都合のいいように解釈して、常にハイで前向きに進む。それ自体はいいことである。前足はよく、仕事をとってきても、ネガティヴゼロで用心深くない奴も多い。必ずどこかで引っかかる。関係者にも大きな迷惑をかけていることも多い。こういう奴が「3:1」のリズムがベストと考え、自分を振り返るコツを覚えたら押しも押されぬトップセールスになるのであろう。
これからも読んでポジティブ心理学というものを整理してみたい。