映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」を映画館で観てきました。
映画「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」はお笑いコンビ、ジャルジャルの福徳秀介による同名小説を大九明子監督が若手有望株萩原利久と絶好調河合優実で映画化した作品。河合優実が出演しているだけで気になる。主演級ばかり揃う超豪華メンバーのNHK TV小説「あんぱん」にも出演している。普段見ないのに思わず見てしまう。原作の福徳秀介の母校関西大学が実名で全面的に協力しているのが映像でよくわかる。どこにでもいる大学生の物語だ。
冴えない毎日を送る関西大学の学生小西(萩原利久)はしばらく学校休んでから復学する。学内唯一の友人・山根(黒崎煌代)とも再会。京都の銭湯でのバイトも仲間のさっちゃん(伊東蒼)と一緒に閉店後に風呂掃除をしている。小西と同じ講義を受けていた桜田(河合優実)が学食でも1人で食べているのを見つける。気になる存在だ。講義中に桜田の隣に座って、出席カードを代わりに提出してもらうのがきっかけで声をかけて話すようになる。周囲に交わらない桜田に引き寄せられる。なぜか学校外でも偶然に出会って、お互い友人のいない2人が意気投合する。
そんな桜田のうわさをバイト先の銭湯で話していると、さっちゃんは落ち着かない。さっちゃんは小西に恋の告白をしてもう余計なことは言わないと言ったあと銭湯に来なくなる。しかも、小西が約束したのに桜田は待ち合わせに来ない。失恋したのか?一気に何もかもうまくいかなくなる。
思いがけずよかった。
普通の恋愛ものだけど、変化球を効かせていて途中からの展開は意外だった。原作者はコメディアンだけに観客を驚かせるのを楽しんでいるようだ。
「花まんま」に引き続きこの映画も関西が舞台。主人公2人は関西人ではないけど、河合優実はこれまで関西舞台の映画に出ていてそんなに違和感を感じない。いかにも関西ぽいおかしな柄の服で登場する。社会の底辺を彷徨う役が続いたのに対して、今度は普通の大学生役だ。「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」というセリフが映画のキーポイントだ。「敵」では立教の学生役で今回は関西大学の学生役と器用にこなす。「さがす」でもうまかった伊東蒼がここでも活躍する。大阪出身で関西弁の映画では映える。
キャンパス内の中に「関西大学」の表示がある。ここまで映画ロケに協力するケースは少ない。関西人は楽しめるだろう。阪急の関大前駅周辺もいい感じで映し出していて、味のあるメニューが並ぶ喫茶店でのやりとりがコミカルで楽しい。主人公小西がバイトする京都の場面もある。主人公2人が水族館で遊ぶ場面があるが、京都水族館のようだ。銭湯も味がある。
ネタバレは厳禁だけど
意外な設定には驚いたなあ。そうなる前提がまったくなかったので突然繋がってしまったのはビックリ。長回しが多いのは大九明子監督の得意技だけど、ちょっとしつこいかな?画面分割の手法を効果的に使う。スピッツの曲「初恋クレイジー」の使い方はうまかった。