映画とライフデザイン

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映画「アフリカの光」萩原健一&田中邦衛&神代辰巳

2022-09-05 17:57:38 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「アフリカの光」を名画座で観てきました。


アフリカの光は1975年の萩原健一主演、神代辰巳監督の東宝映画である。名画座の神代辰巳特集で未見の作品を確認している。前年の「青春の蹉跌」がヒットしたおかげで東宝から連続して神代辰巳にオーダーが入るようになる。孤高の作家丸山健二原作の映画化で、アフリカでの出来事ということでなく、アフリカへの航海を夢みる若者2人が流れ者のように北国の漁港に入り現地の荒くれた男たちと交わる話である。架空の北国の町となっているが、知床の羅臼が舞台である。流氷が広がり、白鳥の姿も見える。極寒の中の撮影だ。

いきなり、流れ者の若者2人(萩原健一、田中邦衛)が飲み屋で現地の船乗りらしき男たちに絡まれ、大げんかして警察に留置されるシーンからスタートする。なんでケンカするのか、セリフなくいきなりのドタバタ劇だ。その後も、エロ系場末の飲み屋で桃井かおりが男の相手をしたり、飲んだくれ船員が暴れてという港町映画独特のムードでストーリーが流れる。

でも、じっと観ていても、話の内容がよくつかめない。有名俳優が多くても登場人物それぞれがどういう関係にあるのか説明的セリフもなさすぎて「櫛の火」よりもわかりずらい。藤竜也桃井かおりの情夫とわかっても、小池朝雄高橋洋子の父親とは映画見ている間ではわからない。作品情報を読んで初めてわかる。この映画はちょっとキツイなあ。おすすめ映画ではない。

神代辰巳監督も一部作品で演出しているTVドラマ「傷だらけの天使」の撮影を終えた萩原健一が主演だ。訳もわからず、地元の船員たちとすぐ取っ組み合いだ。カメラの姫田真左久手持ちカメラでブレまくりに捉える。ショーケンの動きは「傷だらけの天使」の木暮修とまったく一緒なのに驚く。決してカッコいい役柄ではない。まわりに集団でリンチもくらう。桃井かおりから「あんた下手ねえ」と交わった後笑いながら言われる。それでも、70年代の萩原健一ファンなら、ドジな部分も残したパフォーマンスで気にいるかもしれない。


当時、「スケアクロウ」など男性がコンビを組んだ映画が流行っているせいもあってか、萩原健一の相棒役が田中邦衛である。本職の演劇の活躍は知らないが、映画では「若大将シリーズ」も終わって、仁義なき戦い他の東映ヤクザ映画でチンピラ的役をやった後だ。男色系映画のように妙に2人がくっつくのがちょっと違和感ある感じだ。

神代辰巳監督作品との相性の良い桃井かおりがここでも登場、ヤクザの情婦なのに平気で流れ者の2人に体を許す。萩原健一とは「青春の蹉跌」で雪の上で大胆に絡んでいた。それよりも低レベルの女を演じる。場末ムードがぷんぷんする。高橋洋子も神代作品3作連続で登場するけど、徐々にイマイチになっていく。

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