映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

近松物語  溝口健二

2009-05-17 20:53:45 | 映画(自分好みベスト100)
溝口健二監督が近松門左衛門の戯曲を題材に作った傑作。天下の二枚目長谷川一夫がダメ男を演じる。香川京子は京都の老舗の奥様。その二人が駆け落ちをする。みっちり演出したのを十分感じる情感あふれる作品

京都の老舗にお嫁にいった香川には、親類筋からの金のせびりが絶えない。困った香川は番頭の長谷川一夫に相談する。長谷川は主人の進藤英太郎から発注依頼の印鑑を預かる際に、白紙の印鑑を使って余分に発注書を作り、金の工面をしようとする。それがばれて長谷川はお仕置きを受ける。納屋で謹慎させられているが、飛び出し長谷川は香川がいる部屋に向かう。。。。

元々、主人の奥様と番頭の関係で香川と長谷川に色っぽい関係があったわけではない。長谷川に思いを寄せる下働きの南田洋子。南田は、長谷川と結婚するといって、夜な夜な南田のもとに言い寄る主人進藤英太郎の関係から逃れようとする。謹慎中の納屋から飛び出して長谷川が向かった南田の部屋にいたのは香川であった。その4人の関係がいつの間にか香川と長谷川の関係に変わってしまう。偶然と誤解の世界である。

大ベテラン長谷川一夫は、ダメ男の役を演じるに当たって、溝口監督からは宇野重吉のような気持ちで演じてくれといわれたそうだ。それでも、長谷川一夫はやっぱり天下の二枚目から抜けきれない。香川京子との絡みはいかにも情感あふれる熱演だと思う。

香川京子は23歳、まさに熱演である。彼女は成瀬巳喜男監督「稲妻」に出ていた。これはこの映画の2年前である。このときの彼女の演技は大根役者の域を超えない。しかし、溝口監督のかなり厳しい演出指導で、ものすごいレベルの芝居をしている。老舗の奥様としての気品あふれる話し方。突如長谷川との情熱的な恋に狂う女心の表し方。彼女にとってはベストの演技であろう。

溝口映画の常連、進藤英太郎、浪花千栄子はいつもどおりの活躍。しかし、この作品では主役の二人の演技がすさまじいので他の作品ほどの存在感はない。宮川一夫のカメラにせよ、他の作品ほどはその活躍に凄みは感じない。

何よりこの水準の演技にまで主役の二人を仕込んだ溝口監督の手腕に脱帽である。
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大井町 ブルドック

2009-05-17 06:35:13 | 食べもの
東京に行った。昼飯をどこで食べようかと考えた。大井町が思いついた。
昨年死んだ父がよく話題に出していた。昭和40年代の品川の洋食というと、ここか五反田の「京浜ベーカリー」だった。大井町の駅を降りて2-3分くらいのところに昔からある洋食屋がある。
「ブルドック」だ。

11:30に行くと行列ができていた。
女性は誰もいない。サラリーマンが大半、作業着を着た肉体労働系の人もいる。
10分くらい待って、店の中に入った。カウンターに座った。
カウンターの前にガラス棚があって、あらかじめつくってあるキャベツが大盛で皿の上にのっている。
ランチを頼んだ。洋食2品と味噌汁、ご飯とのこと。
厨房の中では3-4人があわただしく調理していた。
毎日のことであろうから、手際は非常に良い。
ランチは早めに出てきた。

とんかつ、チキンが大盛のキャベツの上にのっている。
味噌汁は豚汁。数多くの種類の野菜が混ざっている丁寧につくったものである。
ご飯は大盛
この店は量で勝負する店である。12:00過ぎまで女性の姿は見えなかった。
良かったのは、キャベツの切り方が千切りでとんかつ屋が丁寧に仕事をした形跡のあるもの
とんかつは普通、しかし、それなりに量はある。
値段は840円也。これだけ食べさしてもらえば十分満足する。

先日書いたとんかつ屋950円也と比較する。
とんかつ:普通のどこのランチでも出るとんかつ。先日の方が脂身が多い。脂身はすくなめ
キャベツ:超大盛、食べても食べてもなかなか減らない。先日は少なかった。
     ポテトサラダがつけあわせでついている。
味噌汁:先日はプラス50円で豚汁。ましてこの豚汁はさまざまな野菜が入ってうまい。
ご飯:大盛。お代わりの心配の必要がない。

どうも量で勝負する店のようである。
横でメンチカツ、オムライスを頼んでいる人たちがいた。
ものすごい大きさであった。今度頼んでみよう。
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