映画とライフデザイン

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映画「傲慢と善良」 奈緒&藤ヶ谷大輔

2024-10-04 10:08:30 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「傲慢と善良」を映画館で観てきました。


映画「傲慢と善良」辻村深月の原作を「ブルーピリオド」萩原健太郎が監督で映画化した作品である。原作がベストセラーだけど未読。本屋でこの表紙よく見かけたなあ。辻村深月原作の映画化では「朝が来る」「ハケンアニメ!」いずれも自分の好きな作品だ。直近のアニメ作品は観ていない。漫画原作の多い昨今の日本映画事情を考えると文学系では公開作品は多い方だ。

ビール会社を経営する青年実業家の架(藤ヶ谷大輔)マッチングアプリで婚活をはじめ、数多くの女性と会ってきた。いずれもピンとこなかった時に出会った真実(奈緒)に好感をもち付き合いをはじめる。1年経ち結婚に踏み切れなかった架に真実がストーカーの存在を告白する。保護するために架の家に移り住み婚約の流れとなったその時に、真実が突如失踪する。


手がかりを得るために群馬の実家に行くと、母親(宮崎美子)から東京に行ったのでこうなったと小言を言われる。お見合い相手がストーカーだったのではとお見合いをセットした県会議員夫人(前田美波里)に会い、2人のお見合い相手にも会った。でも疑うような気配はなかった。一方で架の女友達が以前紹介した真実と会った時の話を聞き、架は真実の真意を確認して呆然とする。

主演2人に好感がもてる現代版ラブストーリーである。ただ不自然さが残る。
会社の若手に結婚式のスピーチを頼まれ、なれそめを聞くと婚活系で結びついたケースが増えてきた。照れながら話す新郎によると、休日のホテルのラウンジで2人で待ち合わせをすると、周囲には同じような男女が大勢いるそうだ。娘の友人にもマッチングアプリで男女とも美男美女の幸せな結婚をしているカップルもいる。マッチングアプリの出会いは怖そうな感じもするが、決してレアケースではない。

この映画での奈緒が演じる真実は自分も引き寄せられる女の子だ。藤ヶ谷大輔が演じる架が数多くの女性に会ってきてピンと来なかったけど、彼女を選ぶ気持ちはよくわかる。小説の設定が未読なのでわからないが、映画を観るとそう思える。ところが、彼氏の方がなかなか結婚しようと言わないので、女性が口には出せずに心配しているのだ。そこでトラブルにつながることが発生する。よくあるような話に見えるけどどうなんだろう。女性が気を引くためにウソをつくことはよくあることだ。

ただ、映画を観ていて、強引な設定が多すぎる印象をもつ

1,男性側の昔の女友達との奇妙な偶然
映画の中ではキーポイントとなる部分だけど、偶然にしては出来過ぎの設定に感じる。架の友人にホームパーティに誘われて2人で参加した時にいた架の女性の友人がいる。その2人に奈緒が送別会が終わる時に偶然会うのだ。そこで誘われて3人で飲みに行き、架が2人に語った奈緒の評価に加えて、もしかしてあなたの行動が狂言ではないかと言われるのだ。

映画ではむちゃくちゃ女のいやらしさが露呈する場面に見えるけど、そもそも自分の送別会で職場の人に囲まれている中で、一度あったきりの女性たちと一緒に飲みに行くかしら?という設定が強引な気もする。しかも、いくらいじわるな女性でも平気でこんなこと言うのか?との疑問は残る。

2.宮崎美子にはめずらしい役
真実が失踪して、あわてて架は行方を探す。群馬前橋の実家で母親に会うとイヤミを言われる。この母親は宮崎美子には珍しい嫌な女の役だ。父親は県庁勤務で仕事を終え、周囲も県内で勤める人が多く母親は地元の女子大に行かせてお見合いで結婚させるつもりだった。姉は違った道を歩んで自立して生活しているので、なおのこと次女に期待する。東京に行ったのがそもそも間違いで、自営業の人と一緒になるのもどうかと架を前にして言う。自分の価値観に凝り固まっている。そんな感じの話し方をする宮崎美子をはじめて見た。こういう役もするんだ。

自分の大学の時の友人で県庁の上級職に合格して郷里に戻ったのが2人いた。片方の場所は北関東で自分が転勤でそこに住み付き合いがあり、片方は九州でよく遊びに行った。家族にこんなイメージの人はいない。2人とも局長クラスで県の職務を終えたが、周囲にこんな価値観をもつ家族のいる家があるのだろうか?県職員って良い人が多くその家族も違う気がするけどなあ。


⒊前田美波里
ストーカーに追われているのを真実が告白して、架は以前お見合いをした人と何かがあるのでは?と母親が信頼している県議会議員夫人に会うことになる。お見合いの斡旋をしている。演じているのは前田美波里だ。静かに話すのだが、ドスが効いていてものすごい迫力だ。誰もが驚かされるだろう。でも、若き日のボリューム感あふれる肢体を知っている若者は少ないだろう。

昭和40年代前半、前田美波里は当時としては異色の存在で加山雄三の若大将シリーズなどでそのエキゾティックな姿を観ることができる。自分は大学生の時に30代になったくらいの前田美波里のショーを六本木の今はなきクレイジーホースで見た。目の前で見る前田美波里の躍動感あるダンスにただただ圧倒された記憶が鮮明だ。


群馬でのシーンのいくつが印象深い。お見合い相手2人のキャラは対照的だけど、地方都市の人にありがちの雰囲気がよくでていた。佐賀でのシーンもロケ地の設定も含めて自分にはよく見えた。西田尚美がよかった。

4.奈緒は嫌われているのか?
自分のブログで奈緒主演の「先生の白い嘘」のアクセスが妙に多い。8月も9月も7番以内に入って、近作ではもっとも多いアクセスだ。なぜなんだろうといつも思っている。前作同様、奈緒は好演なのに映画.comの評価が悪い奈緒女に嫌われるタイプの女性なのだろうか?

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