映画とライフデザイン

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モンタナの風に抱かれて  レッドフォード

2009-05-18 19:26:03 | 映画(洋画 99年以前)
ロバートレッドフォード監督の傑作。モンタナの大自然の中、片足を失い心を痛めた少女スカーレットヨハンソン母子と愛馬との暖かい交流を描く。スカーレットのその後の活躍を予測させる演技と自然の中に溶け合った画像がすばらしい。

13歳の少女スカーレットヨハンソンは、友人と馬遊びをしている際に、トレーラーとの接触事故を起こして、片足を切断する羽目になる。彼女の父親は弁護士、母親クリスティン・スコット・トーマスは売れ筋雑誌の編集長という家庭環境。事故の後精神的ショックが大きく、娘は学校に行きたがらない。また、事故で大きな損傷を受けた愛馬も、手のつけられない暴れ馬になっている。見かねた母親が調べて、モンタナ州に「horse whisperer」なる馬の心を癒すロバートレッドフォードの存在を知り、馬と娘と一緒にモンタナの牧場に向かうが。。。。。

レッドフォードは徐々にヨハンソンと馬の心を癒していく。牧場の家族、クリスクーパーとダイアンウィーストも温かく迎えてくれる。次第にレッドフォード映画特有の叙情詩的感覚に浸ってくる。彼の監督作品「リバーランズスルーイット」でもモンタナが舞台になった。あの映画の風景の美しさはぴか一であった。こちらは牧場が中心。それでも奇妙な形の雲がクローズアップされたり、上から鳥瞰的に焦点をとらえたりというカメラワークにはうならせられる。

スカーレットヨハンソンのセリフが、たぶん一番多いのではなかろうか?よくまあこれだけのメンバーの中で、物怖じせずやれるものだと思う。まだ少女のあどけなさが強い顔には今の面影がそのままある。
クリスティン・スコット・トーマスは、いかにも英国人らしい気品の高さがある。オスカー作品「イングリッシュペイシェント」で主役を張った後で、自信に満ち溢れているという演技である。「イングリッシュペイシェント」では主演女優賞を獲り損なった。個人的には「ファーゴ」のマクドーマンドよりは良いと思う。
クリスクーパーダイアンウィーストが脇役に廻った映画は間違いがない。二人には都会派の映画よりも、牧場を舞台にしたこういう映画のほうが、あっているかもしれない。

監督レッドフォードは馬を良く手なずけたものだと思う。何よりもそれに感心。荒馬を演じたり、おとなしくなったり馬自身にオスカー動物賞をあげたいくらいである。
コメント
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