Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

あなたはどうして“この現実”を現実と感じられるのか?

2010-04-29 11:21:49 | 日記


このタイトル<あなたはどうして“現実”を現実と感じられるのか?>という“テーマ”について説明する必用があるだろうか?

たとえば、あなたが見ているテレビ・ニュースが、“やらせ”である可能性。
“9.11”も“イラク戦争”も“北朝鮮”も “小泉改革”も“オバマ”も“政権交代”も、ぜんぶ“やらせ”である(笑)
というような“可能性”である。

この問題は、もはや“新しく”ない、ぜんぜん。
SFやミステリやホラーの世界では古臭いテーマである。

一般に“新しくない”というのは、それが“あたりまえ”になったから。
つまり、ぼくたちが暮らしている<現在>において、それが“どこにでもある”から。

すなわち、(これもよくいわれているけど)、“現在のぼくたち”にとっては、なにが‘やらせ’でなにが‘やらせ’でないかが、もはや識別できない。

“識別できない”こと自体は、最近の問題ではない。
そうでなければ、なんで<哲学>などというものが、古代からあるのか。

そうではなくて、現在の問題というのは、“識別しようという意欲”自体がなくなったことだ。

逆に言えば、“誰もが”、自分及び自分を取り巻く世界が、“本当の現実”であることを確信して“いないのに”、だれもが自分及び自分を取り巻く世界が、“本当の現実”であることを“信じている”のである。


ぼくがこういうことを思ったきっかけは、昨夜テレビで見た“古い”映画「カプリコン1」(1977)である。
ぼくはこの映画を見ていなかった、たいした映画ではない(笑)

いちおう筋を説明するため、Wik.から引用する;
《人類初の有人火星探査宇宙船カプリコン1号が打ち上げられる事になった。しかし、その打ち上げ数分前、乗組員のブルーベーカー、ウイリス、ウォーカーは突如として船内から連れ出され、砂漠の真ん中にある無人となった古い基地へと連れて行かれた。
3人はそこで、本計画の責任者であるケロウェイ博士から、カプリコン・1の生命維持システムが故障したため有人飛行が不可能になった事を告げられ、政治的な問題で計画が中止出来ないので、火星に行ったという事実の捏造を行う事を命じられた。人々と科学を裏切る結果になる事を嫌った飛行士達は最初は拒否したが、家族の安全を人質に取られ、やむなく承服した。こうして、火星往復の間や火星探査の様子などを、この基地で収録するという大芝居が始まった。
大芝居は成功するが、地球への再突入の際に宇宙船の熱遮蔽板が破壊されたという報告が入った。その報告を聞き、自分達は存在してはならない人間になった事を察した飛行士達は、ここに居ると殺されると直感し、砂漠の基地から脱出を図る・・・・・・》
(以上引用)


すなわち《人類初の有人火星探査宇宙船》の成功の“やらせ”がアメリカという国家ぐるみで演出されるという話。
そもそもアポロによる“人類初の月面への一歩”が、“やらせ”だったのではないかとの推測もあった。

しかし“このようなやらせ”は、ある意味では単純である。
つまり1970年代にこういう映画で“あばかれた”ことは、この2010年のテクノロジーでは完璧に可能である。

一国家(とくに“アメリカ”さ)、あるいは複数国家の“協力”によれば、どんな<事実>も<テレビ>や<NET(WEB)>を通して、<現実>になる。

“視聴者”は、完全に騙される。

この映画で、“国家的陰謀”を暴くのは、この陰謀にイヤイヤ加担したあげく命まで狙われる宇宙飛行士と、取材していて“たまたま”この陰謀を察知して“追及”するジャーナリストである。

すなわち、“ジャーナリスト”の個人的な能力に、“まだ”希望が託されている。

これが、古い(笑)

アメリカ的に“古い”のである。
もちろんこの“古いアメリカ”の後を追うことしかできない<国>は、もっと古い。

この“やらせ問題”は、上記のような単純なケースのみではない。

ぼくが“テレビを見るな”と言っているのには、“そういう意味”もある。

再度問う;

あなたはどうして“この現実”を現実と感じられるのか?

あなたが、<現実>だと思っているものは、現実なのか?
あなたが、<現実>だと思っているものは、“どうして”、現実なのか?





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