Don't Let Me Down

日々の雑感、引用。
言葉とイメージと音から喚起されるもの。

いまを凝視する

2014-06-19 00:53:01 | 日記

★ 辺見庸:私事片々 2014/06/17
甘く見てはならない。高をくくってはならない。相手を見くびってはならない。前例はもうなにもあてにならない。これは、この機に自衛隊を「日本国軍隊」として、どうしても直接に戦争参加させたがっている、戦後史上もっとも狂信的で愚昧な国家主義政権およびそのコバンザメのような群小ファシスト諸派と、9条を守り、国軍化と戦争参加をなんとしてもはばみたいひとびととの、とても深刻なたたかいである。それぞれの居場所で、各人が各人の言葉で、各人が各人のそぶりで、意思表示すること。「日常」をねつ造するメディアに流されないこと。ことは集団的自衛権行使の「範囲」の問題ではない。そもそも集団的自衛権じたいに同意しない、うべなうことができないのだ。9条に踏みとどまること。ひとり沈思すること。にらみ返すこと。敵と味方を見誤らないこと。いまを凝視すること。静かにきっぱりと、反対を告げること。「これ以上ないくらい無邪気な装いで、原ファシズムがよみがえる可能性」をいま眼前にしている。それはよみがえったのだ。虚しくても空疎でも徒労でも面倒でも、たたかいつづけること。怒りをずっともちつづけること。安倍政権はうち倒されるためにのみ存在している。エベレストにのぼった。


★ 辺見庸:私事片々 2014/06/19
おい、安倍晋三よ、以下を読め。衆院本会議での答弁。吉田茂首相「戦争放棄に関する本案の規定は、直接には自衛権を否定しておりませぬが、第9条第2項において、一切の軍備と国の交戦権を認めない結果、自衛権の発動としての戦争も、また交戦権も放棄したものであります。従来、近年の戦争は多く自衛権の名において戦われたのであります。満州事変が然り、太平洋戦争また然りであります」「戦争放棄に関する憲法の草案条項におきまして、(質問者は)国家正当防衛権による戦争は正当なりとせらるるようであるが、私はかくの如きことを認むることが有害であると思うのであります(拍手)。近年の戦争は多くは国家防衛権の名において行われたることは顕著なる事実であります。故に正当防衛権を認むることが戦争を誘発するゆえんであると思うのであります。(自衛のための軍隊などという)御意見の如きは有害無益の議論と私は考えます(拍手)」(昭和21年=1946年6月26日。下線は引用者)。安倍、高村、石破よ、よく読め。「正当防衛権を認むることが戦争を誘発するゆえん」。日本の戦後はこうしてはじまり、<新しい戦前>のいまがある。




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