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日本はなぜ敗れるのか-敗因21カ条

2007-06-09 22:21:00 | 
 ビジネス書や小説など、乱読する方なのだけども、読みやすい文体の人ばっかりのなかで、この「日本はなぜ敗れるのか-敗因21カ条」の著者である山本七平(故人)氏の本は、なじめない文体の人だ。

 分析的であるがゆえ、どうも回りくどい。しかたないけど疲れる。

 じゃあ、読まなきゃいいのだけども、いやいや結構この本は興味深くて面白い。

この本は、小松真一氏の「慮人日記」と自らの経験を併せて、その信憑性を確認しつつ戦争末期の日本軍のやってきたことを確認し、現代(この本では1975年頃)に至ってもまったくそれが生かされていない点を指摘、それを21カ条という形式にまとめた物である。

内容は、本を買って読んでもらうこととして、その中で特に印象に残ったことは、「日本人は思想的に不徹底」という部分である。

言葉を換えて言えば「議論しつくさない」というのだ。

これは、2007年の今でもそのまま言えるのではないだろうか?会議でも声の大きい奴の意見が通る、あるいは社長の意見が結局は通る。会議に参加していても議論ではなく一方的な報告と命令。

それは会議か?

管理職が出席するような会議でも、「まぁ、みんなも何も反対していないし。」「べつにいいか。」といったようなことが多々あるのである。もしそんな事が習慣化している会議で「それは違うだろう!」だとか言おうものなら、上手くたしなめられ、「まあ、君の意見もわからんではないが・・・」とされるのが関の山、さらには会議後に同僚などからは「どうしたんだ?」といぶかしく思われる事もある。

議論をしつくさないとどうなるか?品質は落ちる、防衛することに走る、上を見て仕事をすることになる。

その結果、古い牛乳だの、架空売上だの、法律のくぐり抜けだの、端から見れば殆ど常軌を逸したことが行われてしまう。

もちろんそういうことが横行する組織に優秀な人間などは残らない。とっととやめて、そうじゃない組織へ移る。そこで力を発揮する。衰退する組織、つまりゆっくり死んでゆく組織から確実に前に進む組織との差がここにある。

気持ち悪いぐらいの「意見交換」のない会議。互いのことを配慮しての話し合いも良いかも知れないが、決して迅速な行動は取れない。

この本は、この事だけを述べているのではないが、この「気持ち悪い」状態が今でも、いやさらに蔓延しているのではないかという心配がある故気になった。

是非一読をオススメする。


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