Lucky☆Sardonyx

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「復興の光」平泉

2011-05-07 23:08:58 | コメント
 国宝の金色堂で知られる中尊寺などを含む「平泉の文化遺産」(岩手県)の世界遺産登録に当確ランプがともった。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関が7日、平泉の世界遺産への登録を勧告。6月にパリで開かれるユネスコの世界遺産委員会で、正式決定する見通しだ。平泉は3年前に登録を見送られての再挑戦だっただけに、地元からは「東日本大震災からの復興の光に」と喜びの声が相次いだ。また小笠原諸島(東京都)にも登録勧告が出された。

 東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県に、朗報が届いた。世界遺産決定に大きな影響力を持つユネスコの諮問機関「国際記念物遺跡会議(イコモス)」が、平泉について「記載が適当」との評価を出した。平泉は08年に登録が見送られ、今回が再挑戦。6月の世界遺産委で正式登録されれば、日本の文化遺産では原爆ドーム(広島)などに続き12件目で、東北地方からは初めてとなる。

 平泉は、平安時代に奥州藤原氏が築いた寺院や遺跡群。政府は08年に推薦した9資産から、「浄土を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群」として中尊寺など6資産に絞り込んで再推薦していた。東日本大震災による建築物の損壊などが心配されたが、文化庁によると、構成資産の被害はほとんどなかったという。

 震災からの復興を目指す地元・岩手にとっては、久しぶりの明るいニュース。平泉町民ら約400人で作る平泉世界遺産推進協議会の穂積昭慈会長(83)は「震災で心が落ち込んでいる中、まさに希望の光だ」と歓迎。菅原正義平泉町長も「『復興の光を平泉から』という思いで登録の日を迎えたい」と話した。

 ただ、勧告は6資産のうち「柳之御所遺跡」を除外することを登録の条件としている。統一テーマ「浄土思想」と直接的な関係が薄いことなどが理由とされるが、文化庁などは「奥州藤原氏の政治拠点として栄えた平泉の中心的な場所」として価値を主張していた。

 地元からは「構成資産を外すという条件は聞いたことがない」(岩手県)との反発も出ており、同遺跡を含めた世界遺産登録に期待をつなぐ向きもある。文化庁では「地元とよく相談して方針を決めたい」とし、来月の本審査に向け、地元自治体などとの調整を本格化させる。