Lucky☆Sardonyx

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「アウターライズ地震」警戒

2011-05-04 23:43:15 | コメント
 東日本大震災から間もなく2カ月。マグニチュード(M)5以上の余震回数は4月末で439回に達したが、最近は活動が落ち着いてきたように見え、気象庁はM7以上の余震発生確率を「10%未満」とした。

 一方、研究者は「過去に最大余震が10カ月以上後に起こった巨大地震もある」と警告。気象庁も大震災震源域の沖合で発生し津波を引き起こす「アウターライズ地震」を警戒する。首都圏で地震が起きやすくなっているとの分析結果もある。

 東大地震研究所の大木聖子助教らによると、東海・東南海・南海の3地震が連動した可能性がある宝永地震(1707年、M8・6)は、発生から約3カ月半後に京都で激しい揺れがあり、三重、和歌山両県を津波が襲った。最大余震とみられる。

 安政東海地震(1854年、M8・4)の最大余震はさらに遅かったとみられ、約10カ月半後に静岡県西部沖を震源にM7・0~7・5の地震があり、津波を伴った。

 最近では2004年のスマトラ沖地震(M9・1)で、本震震源近くで約3カ月後にM8・5。さらに本震から5年以上後の10年5月にも、余震域でM7・2の地震があった。

 気象庁地震予知情報課によると、大震災のように陸側のプレート(岩板)の下に海側のプレートが潜り込む境界で起きる地震の後、プレート境界の沖合で起きるのがアウターライズ地震。海側のプレート内部に張力がかかるためとみられるが、はっきりしたメカニズムは不明という。

 1896年の明治三陸地震(M8・2)の37年後にあり、陸地をさかのぼった遡上高で23メートルの大津波を伴った1933年の昭和三陸地震(M8・1)や、2006年の千島列島沖地震(M7・9)の約2カ月後のM8・2がこのタイプとみられる。震源が陸から遠くなるので揺れは小さいが、津波を起こしやすい傾向がある。

 東大地震研の石辺岳男特任研究員らは関東、東海で1979~2003年に起きたM2以上の地震約3万について、大震災に伴う地殻変動などで原因断層がどんな力を受けたか分析。半数以上の約1万7千は発生を促進する力が働いており「首都圏で地震が起きやすくなっている」とみる。

 震源の深さ30キロ未満の浅い地震は静岡県東部―神奈川県西部で、30キロ以上の地震は茨城県南西部や東京湾北部―千葉県にかけて起きやすくなっているとみられる。実際、3月15日に静岡県東部でM6・4(震源の深さ14キロ、最大震度6強)、4月16日に茨城県南部でM5・9(同79キロ、同震度5強)が起きた。

 石辺研究員は「首都直下地震はいつ起きるか分からない。備えを怠らないで」と話している。