Lucky☆Sardonyx

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月で餅つき

2011-01-06 23:26:40 | コメント
奈良県立橿原考古学研究所付属博物館(同県橿原市)で昨年12月から開かれている特別陳列「十二支の考古学―卯―」が好評だ。

 今年のえとにちなみ、日本や中国、韓国などの遺跡から、ウサギを描いた出土品や拓本計30点以上を紹介。ウサギが月で不老不死の薬を作るという中国の神話が、日本に渡って「月で餅つき」に変化した様子がうかがえ、家族で楽しめそうだ。

 同博物館の岡林孝作総括学芸員によると、中国でウサギは不死の女神に仕えるとされる。薬草などの入った臼やつぼを棒でつき、仙人になれる薬を作ると考えられた。パネル展示されている後漢時代のレリーフにも、女神のそばで薬を作るウサギが描かれている。

 「月にウサギ」の神話が日本に伝わったのは7世紀ごろ。中宮寺(奈良県斑鳩町)に残る同じころの最古の刺しゅう「天寿国しゅう帳」には、臼にきねではなく、棒でつぼの中をつつくウサギの姿があり、当初はちゃんと薬を作っていたらしい。

 しかし、江戸時代の絵図に登場する月のウサギは両前足できねを抱えており、餅をついているようにしか見えない。岡林総括学芸員は「道教の神仙思想が根強い中国と違い、日本では(不死の薬を作るという)意味が分からなくなり、身近な餅にすり替わったのでは」と推測している。16日まで。