晴れのち曇り、時々パリ

もう、これ以上、黙っていられない! 人が、社会が、日本全体が、壊れかかっている。

あまりにも馬鹿馬鹿しい、二回目の「小沢・野田会談」の決裂を、一体どう読めば良いんだろ?

2012-06-03 23:26:19 | 政治と社会
私の如き一介のぼんくら平民でも、今回の「小沢・野田会談」で、両者が歩み寄る筈がない事ぐらい、分っている。


ましてや、当事者はご立派な国会議員樣方である。

「小沢か野田か」どちらかが折れる。

そんな、双方が望む様な結果が出て来る訳がない事くらい、分っていない筈はなかろう。



小沢一郎は、「一民主党議員」として、党代表が会いたいと言って来る以上、会うのは当然。

本人も言ってる通りである。


分らないのは、野田佳彦の思惑である。

そして、輿石東の立ち位置である。



一般的な見方としては、野田佳彦にとっての「アリバイ作り」説。


『私としては、これだけ努力をしました。』
『誠心誠意の理を込めた説明をした結果、小沢先生には理解して頂けなかった』
『党としての決定事項は守って頂く事をお願いしました。』
『これ以上は小沢先生のご判断であり、民主党議員としての良識有る判断をして頂ける事を期待します』


ってなわけで、党内外に「努力」をアピールした。


小沢切りを主張している自民党には、これで顔向けが出来る。

『社会保障等と税の一体改革(関連)法案』を堂々と採決へ持って行き、小沢一郎とそのグループが反対あるいは棄権する様な事が有れば、正々堂々と懲罰出来る。

小沢グループ、及び共産社民などが反対した所で、せいぜい百かそこら。
自民公明の賛成が得られれば、法案の通過は心配ない。

小沢を処分する事により、参院での採決も自公の賛成を得られるであろう。

かくして、「政治生命」をかけて取り組んだ『野田佳彦増税』は、成就する。

目出たし目出たし。

増税が通れば、歴史に一定の名を留める事になろう。

その後の選挙までには、自民公明との<協力>が期待出来る以上、さほどの大敗を喫する事もないのでは無かろうか。

はたまた直接、大連立も良し。



てな事を、考えているに違いない、と見られている様だ。


しかしねえ。

幾ら、正確な情報が上がっていない(らしい)官邸の中で、小沢グループの人数を過小評価している可能性の高いの「裸の王様」で、幾ら財務官僚に洗脳され尽くしているとしても、本当にそこまで馬鹿なんだろうか…?


産経あたりは、小沢について行くのは三十名前後しかおるまい、と書いている。

希望的観測と言うか、彼等の願望である。

現実には、もっと多い数が控えている筈だ。



しかし、小沢自身が言う通り、彼は民主党そのものなのだ。

『離党? なんでそんな事をせにゃならんのですか。民主党は、鳩山さんと菅さんと私とで作って来た。私らが国民の付託を得たのです』

小沢一郎は、あくまで民主党内で実権を取り返して、最後までマニフェストの実行をしたいと、願っているのだろう。

民主党を割らずに、実権を取り返すには、来る代表選で野田佳彦を破れば良いのだ。

その為には、「増税法案」をすぐさま採決に持って行かせないで、継続審議にさせる事。


そうなると、今回の「小沢・野田+輿石会談」で、三者三様に想いが叶う方向に話を進める事は、出来たのでは無かろうか。


輿石東は、党を割りたく無い。

そして、その為には「今この時点」で小沢を切らせたく無い。

案の定、「内閣改造」は行うものの、党執行部の人事はいじらないと、聞こえて来た。

ここで輿石外しを行えば、一挙に「小沢切り」が現実化すると、誰しもが思ってしまう。

ところが、輿石を外さなければ、小沢グループからの急激な反感は買わずに済むであろう、と。


今会期中に増税を決め、しかもその後「直ちに」解散しようものなら、民主党の「大敗」は誰がどう考えても明らか。

デフレ脱却策も示さず、社会保障の改革案も示さず、ただ「増税」だけやって、選挙で勝てる筈はあり得ない。


そんな事自殺行為は、たとえ野田佳彦といえども、考えないのでは無かろうか、と思ってしまうのです。



増税さえ可決してしまえば、そのまま国会閉幕に持ち込んでしまう。

幾ら自民党が騒ごうが、後の祭り。

そして、代表選で。。。。

といっても、野田佳彦が再選される保証はというと、かなりおぼつかない筈だ。



だったらいっその事、採決は持ち越して「継続審議」で国会だけ閉じてしまえば、少なくとも「増税した代表」と言う肩書きで「代表選」に望む事は避けられる。

肝心の小沢一郎は、相変わらず「刑事被告人」のママである以上、代表選に出るにはやや無理が有るに違いない。

そうなると、中間派さえ取り込めば、再選は可能だ。


と考える方が、野田佳彦としては自然なのではあるまいか。



小沢一郎にとっても、「継続審議」は願ったり敵ったりの筈。

増税案を先送りして国会を閉じれば、小沢一郎としてもまだ「芽」はのこる。

誰か、それなりの候補を担いで、本気で運動すれば、代表選に勝てる芽も大きかろう。

或は、状況次第では、本人自ら代表選に打って出る事もあり得る。

目出たく実権を確保出来れば。。。

そうなった暁には、「諸費税増税法案」を廃案として、残り一年しか無い物の「官僚支配の打破」と「地方分権」による『財政の健全化』を追求し、民主党としての向かう方向を、180度転換する姿勢を明確に示せば、来年の総選挙までには民意を取り返せる事も可能だ、と読んでいるのでは無かろうか。

かなり苦しいけれど。


しかし。

万一、増税案を可決してしまえば、ある意味で両者にとって、万事が窮する事に繋がる。


可決後、解散総選挙をやれば、「話し合い解散」だろうと「自主的解散」だろうと、勝ち目はない。

絶対にない。

しからば、選挙前に「大連立」に持って行ったとしたら。

国民は、そんなあからさまな『野合』を許すだろうか。


そうなると、それこそ「維新」と「み党」とが躍進し、過半数を確保する政党がないまま、連立政権となり混乱は避けられない。

幾ら『小沢新党』を立ち上げても、いかんせん準備時間がなさ過ぎる。

もしかしたら、小沢本人はそれも計算の上、水面下での準備は行われているやも知れないが、それでも「資金」や「候補者」両面から不足して、単独過半数など及びもつかない。

やはり、連立が鍵になる。


それなら、選挙は先送りするに限る。

野田佳彦としては、今会期中であろうが、延長国会でであろうが、増税を決めてしまったら、選挙はなるべく先に延ばし、その間に「既成事実」化してほとぼりをさまし、かつ消費税の増税による財政健全化が、如何に必要であるかの周知徹底させる時間が稼げる、と踏んでいるに違いない。

解散などしても、民主党以外にしか利をもたらさない事は分っている筈である。

自民党が怒り狂おうと、野党の都合など関係ないのだ。


しかし、採決すれば、反対が確実の「小沢処分」は避け様が無い。

そうなると「離党」「新党」で、民主党は空中分解してしまう。


野田佳彦にとっては、自民党との大連立の道は残されて居ると思っているだろう。

しかし、選挙権かで民自逆転すれば、野田一派の出る幕は、非常に少なくなるであろう。

最初の閣内に、それなりのポストを与えられるだろうが、その後の改造以後は殆ど日の目を見る事も無くなるに違いない。

ようするに自民党が、以前から願っていた「増税」を勝ち取り、それへの国民の批判は「民主党」におっ被せて潰してしまう。

そして小沢一郎も、力を無くして、自民三正面作戦が大勝利となる。。。


自民党は、それを狙っている。

それでは、野田佳彦にとって、自民抱きつき姿勢は小沢への牽制であって、決して本意では無いとしたら?


今回の「小沢・野田+輿石」会談で、腹の探り合いながらも、即「小沢切り」で「自民案丸のみ」とはならない、暗黙の合意でも為されたのでは無かろうか。。。



と。

妄想に耽ってしまった。

日曜の夜の、しばしの撹乱でありました。



コメント
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