大西泰斗さんが昨年に出した『ネイティブスピーカーの英文法絶対基礎力』の中で次のような説明があります。
すなわち、
英語とは配置の言葉
だということ。
たとえば日本語では、
「ジュンコに プレゼントを あげました」
でも
「プレゼントを ジュンコに あげました」
でも意味が通用します。
これは、日本語では「てにをは」によって、それが主語か目的語か補語かという機能が決まるからです。
しかし英語では、
I gave Junko a present.
または
I gave a present to Junko.
つまり、主語 動詞 目的語 (目的語)
という順番は絶対に守られなくてはなりません。
A present gave I to Junko.
では、普通は意味が通りません。
日本語では「てにをは」をつけることによって、主語か目的語か補語かが決まるのに対し、英語では言葉の並べ方によって、その単語か主語か目的語か補語かが決まります。
そこで僕が面白いなぁと思ったのが次の大西さんの説明。それは
Mary abc-ed Lucy an xyz.
という文章でも、ネイティヴな人たちはその意味をある程度類推できるということ。
これは、英語では
S(主語) V(動詞) O1(目的語 誰か) O2(目的語 何か)
という配列になった場合、必然的に「SはO1にO2を手渡した(V)」という意味合いになるからだそうです。
例えば、
My sister got me Madonna's autograph.
のように。なので、
Mary abc-ed Lucy an xyz.
という文章でネイティヴは「MaryはLucyにxyzを与えたな」と類推するそうです。
この説明で私が思ったのは、自動詞(vi)か他動詞(vt)かという区別も、言葉それ自体が自動詞あるいは他動詞という意味をもっているのではなく、単に言葉の配列の習慣が積み重なったに過ぎないということ。
たとえば普通に学校で英語を習っていると、stand という動詞は自動詞として習います。
しかし辞書を引くと、standにも他動詞の意味がいくつかあります。
I will stand you dinner.
は、「夕食をおごるよ」という意味。
これは上で述べたように、S(主語) V(動詞) O1(目的語) O2(目的語)という配列になった場合、必然的に「SはO1にO2を手渡した(V)」という意味になるので、
stand sb(誰か)sth(何か)
で「誰か」に「何か」をstand(おごる=手渡す)するとなります。
それに対して
stand a ladder against the fence
では、「はしごを塀に立て掛ける」となるのですが、これは SVO という言葉の配列では、S(主語)が0(目的語)に力を加える(V)という感覚が働くから、だそうです。
単語それ自体に自動詞か他動詞の意味があるのではなく、言葉の並べ方で自動詞にも他動詞にもなるということ。このことを学校英語で教えてくれていたら、英語学習にまつわる頭の混乱がかなり減少したんじゃないかと思います。
最近は小学生でも沢山英語を勉強しているそうですが、この配列が意味を決めるという感覚を徹底して教えると、子供たちの英語学習もかなりスムーズになるような気がします。
参考:《感覚》で学ぶと...(!!!)
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