風の谷通信

専業農家からの引退を画策する高齢者。ままならぬ世相を嘆きながらも、政治評論や文化・芸術・民俗などに関心を持っている。

霧の世相 教育基本法 

2006-12-27 21:26:33 | 世相あれこれ
風の谷通信 さん農園便りNo.178

                 12. 17, ‘06
   霧 の 世 相

朝の窓が壊れる程に重い霧が視界を閉じ込めて
深い霧の底に世間がどっぷりと漬かっている
まるで水の底のような 冬の朝の厚い霧

7時半になってもまだ凍えて明けきらぬ朝
ヘッドライトを点け フォグランプを点けて
時速30キロでゆっくりと走り出す
点灯していない対向車がこわい冬の朝
こんなに暗いのに点灯せずに走るのかよ
暗い中を走るのがうまいと思っているのかよ
安全を目指すのが「うまい運転」の法則なのに・・・

朝刊一面に「教育基本法改正が成立」と読んで
続いて防衛庁の「省昇格」を読む
あア このクニは先の戦争から何も学ばないままに
次の進路を決めてしまうのか 

知覧の若者の慟哭をどう受け止めるのか
無言庵の絵に託した思いをどう受け止めるのか
満蒙開拓団の悲惨をどう受け止めるのか
シベリア抑留者の苦難を モンテンルパの嘆きを
レイテの敗北を インパールの屍を
バシー海峡に沈んだ ただただそれだけのために
故国を旅立った少年航空兵1000人の恨みを
同胞沖縄の嘆きを 灼熱の広島の煉獄を
長崎の鐘の音を どんな顔してどう受け止めるのか
隅田川に飛び込んでも逃れられずに焼き殺された人達や
大阪・神戸・明石の空襲で死んだ学徒動員少女達の
諦めきれない叫びをどう受け止めるのか
飛行帽に白いマフラーを締めて荒れ狂うしかなかった
自分達を騙し続けてきた指揮官達を罵るしかなかった
死に場を失ったあの特攻隊員達の怒りの心を 
どう受け止めると言うのか

この国の この先百年にわたる姿をどう描いて
何を以て次の世代への贈り物とするのか

権力とは 一つの国全体を権力者の望む方向へと
合法的に導き動員するためのものであり
その方法は内実を問わず すべてが合法である
なぜならば それが権力だからだ

「教育基本法」改正か 「防衛省」か 
あア 霧が深い

「文句があるのなら国民がみな政治家になればいい」
こう宣わった政治家がいる
なれるものなら そんな結構な身分になってみたい
でも そんなことから距離をおいて
ひそやかに生きてゆきたい人もいる

だけど これが権力を持つ者のホンネだから
クニタミが オオミタカラが 締め付けられて
救われようの無い心を抱いて
いじめに 自殺に 偽装に走る
談合で 投機で ファンドで ねずみ講で 詐欺で
世間を欺いてでも切り抜けようとする

良心的な教師は 一本のピンがはずれて頭が狂い
欝の教師が4000人 病気休職教師が7000人
体罰やわいせつに走る教師が1200人
国旗が掲げられなくて校長までも自殺する

私は日章旗が好きだけど
掲げよと命じられ 掲げ方まで命じられて
義務として掲げるのはイヤだよ
締め付けられて愛国心を謳うのもいやだよ

みんなが 逃げ場を失って右往左往するだけ
追い詰められて 追い詰められて 頭が狂う
このクニのすべてが 壊れて 失調して
一路まい進 崩壊へと進む
まだまだまことの夜明けは遠い
 
あア 霧が深い 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。