風の谷通信No.8-062
中国で鳥インフルエンザ感染が拡がっている。3日現在で死者が3人ではあるが、その後に何人もの重傷患者が続いているので、治まるまでに何人の死者がでるか判らない。
そのクニから、たくさんの食料を輸入しているこのクニの安全性はどうなるのか。汚染食品が出ても、それを輸入したニホンのでっち上げだと非難するようなクニで病原菌ははびこっている。
ウイルスの遺伝子に、ヒトからヒトへ伝染しやすいタイプの変異が起きているのではないかとの疑いもある。こうなると、感染が拡大する恐れがある。
その折も折、厚生省がBSE全頭検査を廃止する方針で、これを自治体に要請することになった。まずは検査対象となるウシの年齢を48ヶ月超に変更し、続いて全頭検査をやめるように要請する、という。「安全性を高めるために行なっている検査をやめてください」と要請するなんて。いささか奇異な言葉である。自治体のほうはためらっている。それも日本的姿勢で、「単独でやめるのはコワイ・・・風評がコワイ。だから、やめるならば全国一斉にしてほしい」という希望。他の自治体と同じタイミングにしてほしい、というのは国に責任を取ってほしいということになる。そして、国は安全性検査をやめる方へと「要請」するのだ。安全性をより軽視するほうへとタミを導くのだ。
やめるタイミングはともかくとして、食品安全調査委員会専門調査会が「今後国内でBSEが発生する可能性はほとんどない」と判断した。だから政府の姿勢によっては検査体制の更なる緩和も検討しなければならないそうである。
国の方針と言い、危険性がないだろうという判断と言い、誰の判断なのか。実はアベさんがオバマから受けた恫喝の一つではないのか?牛肉輸入に対するニホンの姿勢についてアメリカは強い不満を持ってきた。ニホンへの輸出を拡大するにはこの検査を緩和することが必要。アメリカから恫喝されたから選択の余地はないのだろう。
ニホンの「安全に対する感受性」を抹殺したいのがアメリカ食肉業界の意向。遺伝子操作作物の輸出についても同じこと。一方、中国の汚染物質はかの国の思想的な粗雑さが原因。
いずれの場合も問題はそんな国から自分の食べものを輸入するこの国の心の貧しさ。