うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

良い時代とは

2021年10月10日 | 記憶の断片
*ちなみにろくに調べもせずに適当書いてます。

国の栄枯盛衰というのはいろいろな要素があるから、いちがいには言えないが、やはりバブル盛期であった1980年代後半の日本は勢いがあった。
現在株価はその頃の数字に近づいているが、それは「戻った」というだけだ。ダウ平均はこの30年で10倍ぐらいになっている(と思う。以下省略)。

いろいろな指標、たとえば日本国債の格付けなんかも、昔は世界でも最も高い部類だった。今は中進国の、韓国とかと同じかやや低めの格付けでしかない(債務額が大きいからね)。

この前ニュースでやっていたが、先進国の賃金はこの30年で3割かそのぐらい上昇している。この間日本は横ばいか、むしろ低いぐらいの水準で推移した。
このためにグローバルな商品であるiPhoneとか、自動車などが消費者にとって相対的に非常に高いものになってしまった。

労働集約的な産業であるサービス業、飲食店やホテルなどの料金は低く据え置かれ、その結果、外国人旅行者にとって日本は非常に魅力的な旅行先となった。
これが数年前までの、訪日観光客の爆発的な増加に結びついた。
(しかし、これが戻るのは結構大変そうだね)。

昔、バブルの頃はこれ以外にも、日本企業の世界的な活躍など、日本という国が世界で高く評価される要素は多かった。もちろん批判を受けることも色々あったし、政府や国民が自らその状況に戸惑う姿勢も見られた。
かの浜田省吾も「頼りなく豊かなこの国で~」とか、歌っていた。

バブルの恩恵を受けた人たちはぜったいに、たくさんいると思うし、今でも現役で活躍している人は多いと思う。僕などはまったくと言っていいほど恩恵を受けてはいないが、当時日本がこの先今のような姿になるとは、まったく想像はしていなかった。

そんな時代、追憶の1989年・。


雑誌SWITCH '89年6月号。
この記事は高橋源一郎さんのフォト日記。当時はスマホでもデジカメでもなく、ポラロイド写真。

手元に遺してある(一般)雑誌のなかでは古い方。価格は700円(税込。消費税は施行されたばかり)。
メインの特集はメリル・ストリープのインタビュー。

本誌にバブル時代を思わせるような記事や広告はあまり見つけられない。

ただ「日本は衣食足りて豊かになったのだから、これからは感性や文化を大切にした社会作りをしていこう」というムーブメントは、この時代の一面でたしかにあった。
その結実がコンサートホールや美術館の建設など、箱物が目立ったていどだったとしても、そういう雰囲気は確かに世の中にあった。

そういう意味では、本誌の文化的な誌面のムードはこの時代を現している気がしないでもない。


この雑誌、広告は酒とたばこの宣伝が大部分を占めている。
たばこの宣伝は昔は多かったし、けっこうかっこいいCMとか、ありましたね。。
これはJTが後援するビッグバンド・ジャズのコンサートですが、そっちの方が詳しくないので、マイケル・ブレッカーぐらいしか名前知らないや。

ちょっと光っちゃった。。

オリンパスはけっこう積極的に一般紙に広告出していた印象が。
ただ、キヤノンは既にEOSの時代、ミノルタは勢いがあり、ニコンも1/8000の、犬がフリスビーをくわえるCM(F801)とか出していた頃なので、オリンパスはそろそろまにあっくな存在になりつつあったのかと。。

日本の自動車産業はこの時期一つのピークにさしかかってましたね。。
マツダのロードスターとか、ホンダのNS-X、レクサスも登場直前でした。

三菱のこの広告はしっとりとした、どこかイギリス調のアレンジに思えますが、車自体もやや地味な感じ。ミラージュはこの時期、ひじょうに売れた車とは言いがたいですね。。マツダがファミリアを刷新し、カローラやシビックもそれなりに売れていましたが、時代はより上級の6気筒車に光が当たっていました。R32スカイラインがちょうど出た頃です。


昭和のことは「懐かしい」という言葉と繋がっていて、「昭和レトロ」などという言葉を良く目にする。

しかし、平成はまだ記憶が生々しいのか、「レトロ」の冠をつけて語られることはない。

昭和は62年間+αあったが、そのうち半分近くはかなり暗い時代で、その後も日々の暮らしはかなり厳しい想いをしている人が多かったはずだ。平成も、細かく見れば色々問題はあったが、総じて穏やかな時代ではあった。

タイムマシンがあって、昭和36年に移動できたとする。そこで暮らしていくのは相当骨が折れるんじゃないかと思う。

でも、平成元年ぐらいなら、今と同じ感覚で生活できるんじゃないかな。
当時はなくて少し戸惑うのは、携帯とネット通販ぐらいじゃないか。

でも、サブスクなくても、都内に大型CDショップあるし、コンビニはもうふつうにあったし、ファミレスは今と違って24時間やってるし。

飯食っても写真撮らなくていいし、位置情報盗まれることもない。撮りたきゃ上の高橋源一郎さんみたいにポラロイドあるし、写ルンですもある。

平成元年は好景気だから、良くて当たり前、というなら平成3年ぐらいでもいい。
ちょうど30年前だ。当時だって世界は騒然としていたが、日本はまだバブル以前の体制が壊れていない時期だ。おそらく陰で四苦八苦していた人は多かったとは思う。

いまあるものがなくて困ることはほとんどない。今あるからこそ困ることに悩む必要もない。

そうすると、やはり時代はわるくなっているということかねえ。。

*冒頭の写真は平成1年11月、皇居チャリティマラソン。平成の庶民生活つったって、そんなの写真には撮ってなくて、これくらいしか出てこなかった。
コメント
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