うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

シン・エヴァンゲリオン

2021年05月05日 | アニメ・コミック・ゲーム

観てきました。
土曜日に「序」日曜に「破」、月曜「Q」、昨日はお休みして、連休最終日の今日、最終作である「シン」にたどり着きました。

上映時間170分、3時間近いのでちょっと覚悟が要ります。

一応予習していたことは無駄ではなくて、何も知らなくて見るよりは理解できたことが多かった気がします。それでも、基本的に初心者に親切な構成だとは言えないですね。。この映画に限らず、さいきんのシリーズ物はみんなこんな感じかな。

(ちなみにカット写真は本文とあまり関係はないです。。雰囲気本位で。)

ネタバレとかの制約がありますから、直接感想を書きにくいところもありますが、感じたことをいくつか。

おそらく、制作側は古くからの熱心なファンたちを相当意識したんだろうな、というのがまず一つ。過去の登場人物がシンジ君の回想(というか脳内イメージ)の形で次々と出てくる。上映時間が非常に長いのも、ファンへのエクスキューズという感じがします。

上記とも係わりますが、一方で庵野氏が描きたかったイメージをおろそかにもしていない。というか、ファンにおもねるようなことはしていない。その代わり、表現がストレートではなく、かなり高度に抽象化されているという気もします。
それがわかるから、大人でも、従来のストーリーをよく知らない人でも、なんとなく訴えかけられてくる作者の意思と言うか情熱と言うか芸術性というか、そういうものを受け止めることができます。

整合性のあるつながったストーリーではないけど、どこか現代の我々の生きる世界像、みたいのが作品ににじみ出てくる。これは、大したものです。

ネタバレでもないですが、初期からずっと出てきていた、シンジ君の携帯音楽プレーヤー(ソニーの"S-DAT"プレーヤー)、小道具として最後まで使われていました。機会そのものよりも、何かを象徴するIconとして使われています。

テレビ版のときから出ていたのでしょうね(その回は見てないので未確認)。
テレビ放送は'95年の秋から翌年にかけてらしいです。当時DATはポピュラーなメディウムとはいえず、高級ファン、またはプロの現場で使われるものでした。DAT自体は'87年に登場したもので、メーカーの思惑通りには普及しなかったためか、'92年に出たMDが、一般向けに普及し始めた頃です。

S-DATという規格自体が存在しない(VHSに対するS-VHSのような上位規格を想定したのか)ので、映画に出てくるプレーヤーも架空のものですが、リモコンの液晶などは当時のソニーのポータブル機共通の表示方法です。
それが、アニメーションで忠実に再現されていることに妙に感心してしまいました(「序」から繰り返し出てきています)。

もはやイヤホンにコードすらない時代ですが、あの頃の液晶リモコンを見て、平成初期のオーディオ機器を思い出し、ものすごく懐かしく感じました。変なことを言うようですが、この映画シリーズの中で、最も心をつかまれたシーンの一つです。
この映画が平成時代を駆け抜けていったことと、何か関係があるのかな。昭和レトロというのは非常に珍重されるのに、あの時代のデジタル機器って、本当に一顧だにされないんですよね。。
コメント
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