皆様よくご存じの、心温まる映画。公開は1989年というから、もう30年近く前の映画なんですね。。僕が見たのは1995年のこと。確か10年ほど前にケーブルの映画チャンネルでやっていたのを録画してあり、これを見返しています。
95年に見たとき、10年前に見たときよりも、今見た方がよほど心に来るし、正直きついとすら感じられることもありますね。。
ここではその辺のことは軽く流して、少し別の切り口から。ネタバレというほどのことはないですが、その辺はお覚悟を。
ジェシカ・タンディ(デイジー・ワサン役)の演技がとてもいいです。お墓参りのとき、文字が読めないことを知ったホークにふと昔の先生時代の教え方が蘇るシーンとか、旅行のとき州外に出るのは初めてだ、とホークから聞いた時の表情、お兄さんにあった時の晴れやかな様子など。もちろん、最初にホークが来たときの、つんとした態度も良い。
ただいちばん素敵なのはラスト近くの、少し弱ってきたころの姿かな。
「ダウントンアビー」のヴァイオレット様もそうですが、向こうの女優の方は年を重ねた姿が本当に魅力的。
日本の女優さんはどうなのだろうと考えると、あまり詳しくないのでコメントできる立場ではないけど、時折ドラマを見ていると、母娘のシーンでどちらが親かわからないことが多いのはどうもなあ、と思うことはあるな。
車も重要な役割を果たしていますが、今回見返してみて、1953年式キャディラックが一番興味深かった。ハドソンもいいけど、キャディラックの重厚さはショーファードリブンに相応しい。1/1はむりなので、せめてミニカーでも欲しくなるが、ミニカーでもいいやつはそれなりのお値段のらしく、手を出しにくい。。
後半出てくる1965年式ド・ヴィルは、おそらく前半と対照的にモダナイズされた姿を強調したかったのかもしれない。ドアがサッシュレスで、一昔前のクラウンマジェスタを連想しますね。。
それでまた意地悪なことを言うようだけど、日本でこういう、車に役者性を持たせるような映画を作ることができるかと考えてみると。。ただ古い車を集めるだけならできるかもしれないけど、その車のもつ意味合いとか、好んで乗った人の性格等を踏まえた映画作りを考えたりすると、監督は相当苦労しそうな気がします。。昔の車、例えばブルーバードでも、初期の310,410、510あたりは結構残っているのですが、80年代のFF車などはいま探してもほとんどないんじゃないかと思います。
日本で車が生活の中に溶け込むようになったのは1970年代ぐらい~かもしれませんが、例えば田舎住まいでOLやってるお姉さんが乗ってる車が赤いカローラⅡの女性仕様、免許取ったばかりの弟は中古で330セドリックを買ったはいいが維持が辛すぎてスバルレックスになっちゃったとか、そういう映画を、さりげなく作れたらそれはすごいことでしょうね。映画界のことはくわしくないので、もうあるのかもしれませんが。。