胃がキリキリするような思いをしながらひとり残業し、疲れた体を引きずって電車に乗る。一つ手前の駅で降り、駅前のスーパーに入る。
そこは、オフィスとは全く異なる平和な日常が広がっていた。
長閑なテーマ音楽が流れ、若い勤め人、主婦などが熱心に野菜やお総菜などを選んでいる。
いつも見かける店員さんもいる。お互い会話を交わすわけでもなく、向こうが覚えているかはわからないが。
まっすぐ家に帰るより、この店で客や店員さんたちとひと時を過ごすことで、とても癒された。
どの店もそうかというと、コンビニとか、他のスーパーとか見ているとやはりふんいきが違う。よそよそしかったり、どこか寂しげだったり。。
16年ほど前にできた店だが、それ以来、毎日のように使っていた。
震災の後、前日と同じ時間に行ったらもう閉店だったり、商品の棚が空っぽだったりということもあった。
4年ほど前の今頃、改装工事が始まり、1週間ほど休業してリニューアルした。しばらくの間、どこに何があるのか迷ったが、改装前の様子はもう覚えていない。。
まあ、そんなものだろう。よく行く店というのは、自分の家の様にどこに何があるのか体が覚えている。そのときは離れられないほどなじんでいるが、使わなくなってしばらくすれば、もう忘れてしまう(その点、本屋というのは不思議と書架の位置を記憶しているものだな。まあ、違って記憶しているところも多いかもしれないけど)。
この店も、行かなくなると忘れるかな。もっとも、これからもこの近辺には頻繁に行くので、引き続き使うことになるとは思う。