うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

ミッドナイトプレスクラブ

2016年10月04日 | 昔のラジオ、テレビ

この番組を最初に聞いたのは、中学1年の冬だった。一人で試験勉強しているのが寂しくて、ラジオをつけてみたら、ブルージーな音楽とともに、中年の男がよくわからない英語でべらべらしゃべっている。。深夜の時間は外人向けに放送しているのか、と勘違いして、しばらくはこの番組が始まるとラジオを消していた(放送は平日深夜0時から10分ぐらい)。

外人向け、が勘違いであったことは間もなく分かったが、前後の時間帯が若者向け娯楽番組(「恵美子の長い付き合い」とかね)なのに、この番組だけはかなり異色の硬派な放送内容だった。ほとんど理解できてなかったと思うが、子供というのは意外と敏感に世相をキャッチできるもので、この竹村健一という人は、やや保守的な意見の持ち主だな、ということは、肌で感じていた。

英語を全面的に打ち出すというのも、当時は珍しかった。80年代に入ると、FMを中心にして、英語で放送案内したりDJやったりというのは普通のことになっていくが、この時代に でぃす ぷろぐらむ いず ぷれぜんてっど ばい XX なんてことを言っている番組はほとんどなかったんじゃないかな。英語がファッションになっていくと、だんだんと薄味になってきて、ほとんど日本語みたいな感覚になっているが、この時代の英語は妙に味が濃い。

前後に流れる女性のナレーションも、どこがどうとは言えないが、なぜか70年代の北米企業の秘書が話しているような、時代性を感じる・・昔の日本語アナウンスが、今のそれとはどこか違うように。。 

”みどないと ぷれーすくらぶ ぷれぜんてど ばい おり べてぃ あいほうぷ ゆー えんじょいど りすにんぐつぅあわ ぷろーぐらむ ぐっない” この、オリベッティというところの発音、オリとベティの間にためがはいるあたり、聞いているとなんとも心地よいというか・。西欧の女性特有の、乾いた色気みたいのを感じてしまう。 

あの頃の、ウェスタナイズ、アメリカナイズされたビジネス世界の雰囲気は、もうアメリカ本国でもみることはできないんだろうな。今はより薄味に - 都内のイタリアンレストランが、本国に迫る味とアコモデーションを備えながら、微妙に味の癖を消しているようなやり方で - なっているはずだ。

この番組のテーマ曲を聞くと、そんなこんなの思い出が一度に噴き出して、心が震えてくる。

 

 

 

 

コメント (2)
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