どちらも、SOGS FOR JAPANという、オムニバス・アルバムから。
SONGS FOR JAPANは、東日本大震災のチャリティ・アルバムとして、様々なレーベルのアーティストが曲を提供してくれたもの。
収益は義援金として被災者支援や復興支援に充てられる。
3年前に発売になったとき、レコード屋に行ったが、ちょうど売り切れていた。
ダウンロードもできたので、ソニーのサイトからダウンロードして聞いていた。
ところが、先日コンピュータが壊れて、楽曲データ(正確には聞くための認証)が失われてしまった。
ウォークマンには転送してあったので、そこからアナログで録音して復活をはかったが、自動で曲情報を収集すると、各アーティストのオリジナルのアルバムが表示されてしまい、37曲がばらばらになってしまう。
一つずつ、手で直せばいいのかもしれないが、面倒なのでCDを買ってしまった。
山野楽器に行くと、まだ販売されていた。
PINKとかEminem, Rihanaなど、このアルバムを聴かなければ、知ることはなかっただろう。
どちらも、ビデオはちょっと刺激的だが、Pinkはガラスのように不安定でナイーブ、Eminemも結構内省的なものを感じる。
ここで取り上げたのは、これらの曲に惹かれるものを感じるからだが、僕の心の中では、これらの曲は直接被災地の人たちに結びついているのだ。
今は平気になったけど、一時期はエミネムを聞いていると不覚にも涙が出てきそうになっていたことがあった。
ひとりひとり、様々な人生があったはずだ。
卒業式を終えて、友達との別れを惜しんでいた人、年度末に向けて、仕事に追われて慌ただしい日々を送っていた人、長年連れ添った妻と、テレビを見ながら遅い昼食をとっていた人。
今夜の飲み会に心弾ませながら、いつもより軽い気持ちで仕事に取り組んでいた人。
日々を満ち足りた気持ちで過ごすことができない人も、大勢いたに違いない。
自分の境遇や生活に満足できず、毎日顔をつきあわせる同僚にうんざりし、あるいはいつの間にか溝ができてしまった恋人のことで心痛めたり、今朝けんかした妻とのやりとりを思い返したり。
そんな人たちが、黒塗りの軽を操りながら、海沿いのバイパスを走っているときに、こうした曲を聴いていたのかもしれない。
あのとき感じていた、楽しい気持ちも、ぎすぎすした気持ち、悲しげな気持ちも、どこか遠くにいってしまった。
4~5年前の、これらの曲には、どこかにその気持ちが染みついているような気がするんだよね。