うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

3年が過ぎて

2014年05月12日 | 日記・エッセイ・コラム

 このブログは3年前の4月末に始めたが、その少し前に、僕たちは地震という大きな試練に直面している。

 今まで、個人的に知人に物を送るなどの支援はしたものの、被災地を訪れて支援活動をするなどはしたことがなかった。

今回所用で訪れた街も、大きな被害を受けた。その町を、震災後初めて訪れた。

 3年を経て、短時間通りすがっただけの旅人の目には、あの時のことを思わせるような跡は特になかった。

 街道沿いのチェーンレストランは、東京付近で見るそれと、何も違うところはない。店員さんもごく普通のかわいらしい女の子だったし、後からやってきた若いサラリーマン風のお客が、仕事の打ち合わせをしようとする風景も、見慣れた日常的な風景で、全く誰の注意を引くものでもない。

 花屋には母の日のためのアレンジが所狭しと並んでいた。高速路線バスでは、偶々一緒になった運動部らしい大学生と、どこか別の大学の老教授が、話に花を咲かせていた。これは東京などではちょっとお目にかかれない風景だろう。都内で知らない老人から話しかけられたら、学生たちは変な顔をして黙ってしまいそうだ。
 別の場所では、恋人なのか、職場かどこかの同僚なのかわからないが、男性が女性に、FX取引の手ほどきをしていた。

 こうした会話も、普段の人たちが交わす、ごく普通の会話に過ぎない。

 違うのは現地の人と話していくと、さりげなく今もまだ仮設に住んでいるということや、持ち物を皆流された、ということが、次第にわかってくるという点だ。
 それとても、僕たちがよそ者だから話してくれたことであり、仲間うちでは話にのぼることでもないのかもしれない。
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コメント
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