うさぎくん

小鳥の話、読書、カメラ、音楽、まち歩きなどが中心のブログです。

911から10年

2011年09月11日 | 社会・経済

 今年は911テロから10年と言うことで、各国のニュースやNHKの国際放送などで特集を組んでいた。物心ついて以来、歴史に残るような大きな事件(の報道)にはいくつも遭遇しているが、この事件は起きたときと、その後の世の中の雰囲気の事が強く印象に残っている。

 以前にべつのところで書いたことがあるが、あの日東京は日中ものすごい嵐だった。雨が横向きに降って渦を巻いているのが見えるような感じで、まともに外を歩けないほどだった。しかし、夕方には雨も止み、雲が切れて夕焼け空になった。
 その頃都内の、WTCよりはずいぶん規模が小さいがやはりツインタワーのビルの19階に職場があって、そこの窓から西の空がよく見えた。空が毒々しいぐらいに真っ赤に染まり、一方でまだ真っ黒な雨雲も残っていて、実に不気味な感じだった。同僚と、すごいね、なんだか怖いぐらいだね、といったのを覚えている。きっと今日のニュースでは大雨がトップニュースになるんだろうな、と思いながら帰宅した。映画を見ていて、時計を見たら10時になったのでテレビをNHKにしたら、煙を上げているWTCの映像が映っていた。
 知人が巻き込まれるようなことは無かったが、旅行に行っていた同僚が帰国のその日に事件に遭遇して、しばらく帰国できなくなるというトラブルが起きたりした・・。

 その後しばらくのアメリカ政府、国民の反応を思うと、時間がたち冷静な目で見るようになった今とはずいぶんと違っていたな、とあらためて気がつく。まるで真珠湾の再来のような、剣呑な雰囲気だった。
 アメリカという国自体すっかり弱くなってしまい、もう今ではあの横暴なアメリカはどこかに行ってしまったという感じが強い。最近の例外は5月のビンラーディン容疑者殺害の件。あのときもしかし、人の死を喜ぶなど、倫理にもとる行為だ、という意見も出て、それがきちんと報道されていた。10年前なら確実に圧殺されて報道などされなかっただろう。

 やはりアメリカが王として振る舞っていた時代は終わるのだろう。時に専制的に振る舞いながらも、率直で面倒見の良かったアメリカ。僕らは自分でも知らないうちに、そのアメリカの価値観を無条件で自分のものとして受け入れているところがある(アメリカではこうだ、とか、言う人は多かった)。これからたとえば中国の台頭に伴い、中国式の価値観を日本に植え付けていく、みたいな動きが出てくるのかもしれない(中国ではこうやっているぞ、みたいな・・)。日本人の意識も、相当変わってくるかもしれない。

Pa110073

9/12写真を追加しました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする