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ウリパパの日記

自由気ままに・・・

ルーブル美術館展

2009-05-02 13:07:58 | 展覧会
先月30日、上野の国立西洋美術館で開催されているルーブル美術館展-17世紀ヨーロッパ絵画-を見てきました。好天に恵まれ人出も多く入館に行列ができるほどで、待ち時間10分の入場制限がかかっていました。

展覧会では17世紀のヨーロッパ絵画を、1)「黄金の世紀」とその影の領域、2)旅行と「科学革命」、3)「聖人の世紀」、古代の継承者? と3つのテーマに分けて展示されています。

まずは黄金の世紀。レンブラントの「縁なし帽をかぶり、金の鎖をつけた自画像」とフェルメールの「レースを編む女」が必見。レンブラント27才の自画像は、顔の皴が鮮明で予想外に老けて見え、表現を変えれば貴族社会で生きていくための風貌が感じられました。自画像の横に展示されているフランス・ハルスの「リュートを持つ道化師」もインパクトあります。

フェルメールはとても小さな絵ですね。それだけにレース編みに熱中する女性の姿が一枚の絵に凝縮されています。聖書を傍らに置き、何を思いレース編みに夢中になっているだろう・・・ 大混雑の中、皆さん小さな絵を覗き込んで鑑賞していました。聖書と推定されている書物や、画面左手の赤と白の糸など、事前のパネル解説がとても役に立ちました。
フェルメールと同部屋の反対側に展示されているル・ナン兄弟の「農民の家族」も衝撃的で、陰と光のコントラストによって6人の登場人物の表情が浮び上がっています。貴族階級とは対照的な陰の領域が感じ取れます。

続く旅行と科学革命のコーナーでは、大航海時代がキーワードです。イタリアの影響をうけたルーベンスの「ユノに欺かれるイクシオン」では雲でつくられた偽のユノを誘惑するイクシオンとそれを見届けて旅立とうとする本物のユノが大きなカンヴァスに描かれています。このコーナーで私が一番印象に残ったのは、クロード・ロランの「クリュセイスを父親のもとに返すオデュッセウス」。題材はギリシャ神話を題材にしたホメロスの「イリアス」です。古代の宮殿と大航海時代の船のミスマッチ。そして金色に輝く空と、船と宮殿の間から差し込む一筋の光。光の筋は何を意味しているのであろう・・

最後の聖人の世紀のキーワードは聖人信仰の復活でしょうか。中でもジョルジュ・ド・ラ・トゥールの「大工ヨセフ」が印象に残っています。幼いキリストの持つ蝋燭に照らされた養父ヨセフの眼差し。ヨセフが穴をあけている角材がイエスの将来を暗示しているかのようでした。

今回の展覧会でも音声ガイドを利用しました。ヘンデル、ダングルベール、パッヘルベル、ヴィヴァルディなどバロック時代の名曲と共に中尾彬さんの解説に耳を傾けると、絵画の理解が深まります。フランス・フランケンの「キリストの受難」で用いられたマタイ受難曲は効果的でした。

あれこれ1時間30分かけて71点の展示作品を堪能してきました。


帰りに、東照宮ボタン苑で春のボタン祭りが開催されていたのでちょこっと見学。すでにピークは過ぎていましたが、初夏の訪れを告げる色とりどりのボタンが咲き誇っていました。







見事なものです。丹精に育てられた花々に拍手。

コメント
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