二つの像を寄り眼で見るとどうなるでしょうか。
右にあるのは考えられる三つのパターンです。
二つの像の大部分は一致しているので、四角い枠と中の白い部分が融合して、四角い枠は浮き出て見えます。
問題はオレンジの縦の棒と、青の横の棒の部分です。
両眼で立体視をする場合は二つの図がほぼ同じで重なり合う部分が多いのですが、縦の棒と横の棒では融合のしようがありません。
普通に考えれば、真ん中の図のように真ん中の部分が融合して、色も真ん中の部分はオレンジと青の混ざったものになるだろうと予想されます。
ところが実際には一番上のように見えたり、一番下のように見えて、左右どちらかの図が優勢に見えます。
一番下のようにオレンジの縦棒が上に見えていれば右目の見え方が優勢ということで、右目が利き目のせいかと思ったりしますが、真ん中のように見え方が変わったり、、一番上のように見えたりして安定しません。
左目の見え方が優勢になったり、右目の見え方が優勢になったり、あるいは左右の見え方が対等になったりと不安定です。
いわゆる両眼視野闘争というものですが、不安定な見え方になるのは、オレンジの棒と青い棒に注意が奪われるからです。
オレンジの棒と青い棒のほうが刺激が強いので面積が多い白い部分より注意をひきつけます。
そのため、オレンジの部分が優位に立ったり、青い部分が優位にたったりと見え方が交替するのです。
真ん中のように両方がほぼ両立して、真ん中が融合して見える場合もあるのですが、なかなか安定しません。
ここで寄り眼をして見たときに四角い枠に注意を向けると、四角い枠がハッキリト浮き出て見えます。
このとき四角の中の四隅の白い部分に注意を向けると、オレンジの棒と青い棒が、右の真ん中の図のように融合して見え、しかも安定した見え方をします。
四隅の白い部分に注意を向けていれば、右の真ん中の図のようにオレンジの縦棒と青の横棒が融合しているように見えますが、よく見るとオレンジの縦棒は垂直ではありません。
少し左から右下に斜めになっているのですが、それにによって縦棒は上が奥に下が手前のように見えます。
そうしてオレンジの棒のほうに注意を向けてしまうと見え方の安定が崩れ、見え方の交替が起きてきます。
あくまでも外枠の四角に注目して、四角形が浮き上がって見えているときが安定しているのです。
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