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プライミングと連想

2007-03-24 23:41:53 | 言葉の記憶

 「猫」という言葉を聞いてどんな言葉を連想するかといえば、ねずみとかキティ、犬、ペット、マタタビ等々いろいろでしょう。
 ところが前もって「骨」という言葉を聞いていれば「犬」という連想が出て来やすくなります。
 代わりに、前もって「ストーブ」という言葉が示されていれば、「コタツ」という言葉が連想されやすく、「鈴」という言葉が示されていれば「ネズミ」という言葉が出て来やすくなります。
 前もって示され単語に関連する意味が活性化するので、「猫」という言葉が示されたとき連想される単語が絞られるからですが、「犬」とか「こたつ」といった単語を連想するのが正しいということでは必ずしもありません。

 以前NHKで「連想ゲーム」というテレビ番組がありました。
 これはラジオ時代にあった「二十の扉」の延長上にあるような番組です。
 「二十の扉」はアメリカで人気があったクイズ番組をまねしたようなものだそうですが、これは「それは植物ですか」とか「それは食べられますか」などと出演者が質問していって答えを絞り込み、正解を推理するものです。
 連想ゲームの場合は、連想なので正解を求める必要はないと思うのですが、連想の面白さを引き出そうというのではなく、やはり正解を出させるクイズにしていました。
 (洋服、兄弟、順繰り)と三つの言葉がヒントとして示されれば、「おさがり」というのが正解という事になり、(反響、山)というヒントなら「こだま」というのが正解となります。
 
 このゲームではキャプテンが答えを知っていて、ヒントを出すごとに回答者が思いついた言葉をいい、正解でなければさらに別のヒントを出し、正解にたどり着く速さを競うものですが、ヒントによってかえって混乱してしまう場合があります。
 言葉に対する反応というものは人それぞれで、特定の言葉が示されれば必ず同じ言葉が連想されるわけではないのです。
 ヒントを出す側は、相手の反応を予想してヒントを出すのですが、相手の反応が予想外であったりします。
 回答者の反応に対応してそのつどヒントを考えて出すので、ヒントに一貫性がなくなり、回答者は直前のヒントに反応して混乱したりします。
 この場合の連想の意外さというのは、混乱によるもので連歌のように相手の言葉に対する連想から新しい発想を得るというものではありません。
 はじめに正解を決めておくため、面白さというは間違え方の面白さしか出てこないのです。


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