60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

一字づつ読まない

2006-07-17 23:04:28 | 文字を読む

 むかしの子供の遊びで、「チッケッタ」とか「ジャンケンポン」とじゃんけんをして、勝った手によって石段などを進むというのがありました。
 語呂合わせで「グー」で勝てば「グリコ」と3段、「チョキ」なら「チヨコレイト」で6段、「パー」なら「パイナツプル」と6段進むというものです。
 「チョコレート」や「パイナップル」の読み方は変則のようですが、言葉を一音節づつに分解して発音しているのです。

 上の図は普通に発音した場合と、一音節づつ切り離した場合との音波を示したものですが、普通に発音した言葉は音節がくっついている部分があるので、幼児のうちは分かりにくいのです。
 英語などでもそうですが大人がしゃべる言葉は音節がはっきり区切られていないので、幼児や外国人には聞き取りにくいのです。
 言葉の覚えはじめの段階ではゆっくり発音したり、音節を区切って発音して聞かせたりすれば真似しやすく覚えやすいのです。
 このような遊びは大人になってしまうと、どこが面白いのか分からないかもしれませんが、言葉と体の動きを同じリズムに乗せるので子供をひきつけるのです。
 音声を体の動きに結びつけることで、言葉の聴覚イメージを覚えこみ言葉を聴いて理解したり、しゃべったりすることができるようになるのです。
 ひとつづつ音節を区切って発音するのは、初歩の段階でこうした段階の後では言葉を音節のまとまりとして発音するようになります。

 文章の場合、日本語の場合は、かな文字が一音節一文字という関係で、かな文字を覚えればひらがな文は文字をたどって読めるのですが、言葉の聴覚イメージを身につけないとまともな読み方ができません。
 言葉のまとまりを体得していないと落語のように「ひとつ、あねあねあねがわのか、あねがわのかつ、あねがわのかつせんの、ことなり」というような読み方になってしまいます。
 日本語の場合はひらがなだけでなく、漢字が混ざっていますが、文章を端から一文字づつ読んでいったのでは意味が理解できません。
 単語を覚えるときは一つ一つの構成要素を確認して覚えるかもしれませんが、記憶から引き出すときは単語の全体イメージが一度に出てこなければ使いものになりません。
 速読法では文字を一つづつ読む癖をなくさなければならないといいますが、別に速く読まなくても文章を理解するためには、言葉をひとまとまりのものとして把握できる必要があるのです。


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