60歳からの視覚能力

文字を読んで眼が疲れない、記憶力、平衡感覚の維持のために

脳の処理速度

2006-08-19 22:46:41 | 文字を読む

 1行目はカナばかりなので素早く読めそうなものですが、少し引っかかってしまいます。
 眼で文字を見るぶんには知らない文字はないので瞬間的に認識できますが、意味はすぐ分かるわけではありません。
 文字は目で瞬間的にすべて読み取っていても、それだけで意味が分かるのではなく、脳が一定の処理をした結果意味が分かるのです。
 ところが眼で見て文字を認識するのに比べ、脳の処理が遅いために理解が遅れるのです。
 これが音読されたものを聞いたのであればすぐ意味が分かるのですが、音を文字に変換したものを見てもすぐに分からないのはなぜでしょうか。
 音声を文字に変換したといっても、実際の音声イメージに結びつくような形になっていないのです。

 2行目の場合はすべてタカナになっているので、ひらがなに比べれば読みにくいですが、それでも読み上げるのは難しくありません。
 音読あるいは内読によって音声イメージに変換すれば意味が分かりますが、見ただけでは意味が瞬間的には分かりません。
 「あの向こうは、どうなっているんだろう」というような形になっていれば、見ただけですぐ意味が分かるのは、漢字や句読点によって、脳の処理が自動的にしやすくなっているためです。

 アルファベット場合でも大文字と小文字が入り混じっていれば、スペリングが正しくても読み取りに時間がかかって、見た瞬間に意味を理解するのは困難です。
 「world baseball」のような形ならばすぐに分かるのは、「world」や「baswball」といった形は記憶されていて脳が自動的に処理をするためです。

 4行目は一文字ごとに下に下げて配置しているので、目を細かく動かさなくては読めませんが、見るだけなら瞬間的に文字をすべてとらえることが出来ます。
 意味処理をしようとすると、視野を狭めて見なければならないので見通しが悪く、読みにくくなっています。
 「動機づけは、学習に不可欠な条件ではない」とあれば視線を動かさなくても自動的に意味処理が出来ます。
 次の分は文字ごとに下にずらしてあるのですが、このほうが視野を狭めなくてすみ、単語のまとまりが分断されていないので、自動的に処理できる部分が多く読みやすくなっています。
 ストレスなしに文章を読むためにはある程度の視野の広がりと、単語の自動的理解が必要であることがわかります。
 脳の処理は遅いので、文字の読み取りに脳を使いすぎてしまうと、文章の意味が分かりにくくなりストレスを感じて疲れてしまうのです。


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