黒画面

ときどきどうしてもカメラに手が伸びない時があるんだ
いつもカメラはポケットにあるけれど　どうしても手が伸びない時とか
まぁ人前で写真を撮ってる姿を見せたくないから　撮り逃すことも多いんだけどね

やけに暗い朝

もういつもの朝のはずなのに　空はヤケに暗い
昨日までとは違う　秋は日に日に深まっていくようだ
少し風が冷たい　もう夏のカケラはどこにも残ってはいないらしい

虫がいるね

撮った時には気づかなかったけど　コスモスの上に虫がいるね
花しか見てなかったから　確認するまで判らなかったよ
思わず写り込んだものって　なんだかすごく愛おしいんだ

ななふし

壁に張り付いたナナフシ　ここが壁だから見つかった
草や木の葉の上を歩いてても　判らなかっただろうな
その土地とその場所に適応する　枝になることを選んだ虫だ

顔

物に顔を書くとき　どうしてみんな笑顔になるんだろうね
誰に教えられたわけでもないのに　きっと笑ってる
ふと見つければこっちも笑顔になってしまうね

夜のバッタ

ふと見ればバッタが一匹　夜の明かりの下にぽつんと立っていた
よく見れば後ろ足がないのかもしれない　自然とは過酷なのかもしれない
だからといって泣く虫はいない
きっとそれが強さで　きっと足がなくても立ち止まらない事なんだと思う

ホタルガ

何かを探すように　一生懸命触角を動かして
トロトロと歩き続ける
秋の始まりを忘れたような空と　汗ばむ陽気の中で

地図に無い世界

山の向こうに見知らぬ場所　雲で出来た大地が広がっている
手を伸ばしても届かない　きっとそこにあるはずなのに
地図には無い世界　雲の地図は書けども書けども消えていく

やっと名前で呼べる

草刈り中にふと見つけた紫の花　ツユクサのように雄蕊（おしべ）と雌蕊（めしべ）が空を見上げる
ただ正確な名前が出てこない　ツユクサではしっくりこないんだ
「秋　野草　紫　上向き　ツユクサ」思いつく限りのキーワード
並んだ画像のその中に　やった見つけた！
名前はカリガネソウというんだって

撮影：三重県紀北町　雁金草（カリガネソウ）

戦い

蜘蛛の巣にかかった蛾　必死に逃げようとする
蜘蛛はやっとかかった獲物を逃がすまいと必死だ
そこにはドラマなんて無い　生きるか死ぬか一番大切な瞬間