マッチ

思わず投げ捨てたマッチが踏みとどまる
誰の手も借りずに　自分の力だけで
偶然が作り出す日常に　思わずカメラを向けていました

野薔薇

いつも見る薔薇より　しとやかに
絹のように白い花にふっと足を止める
地を這うようにひっそりと咲いても　人を引きつける凛とした白い力

それはあたりまえのこと

　雨の音を紡いで糸をつくる。その糸を織り込めば川になる。
　川が集まれば海を作り、海の上には雲が出来る。
　雲が雨を呼んで、また雨の音がしたたる。

　当たり前に気づくところから始めよう。この世界は難しく出来てなんかいない。本当はもっと簡単なことなんだ。
　人はものを食べなければ死んでしまう。草木は水がなければ育たない。
　ただそれだけのこと。もっと単純に、もっと当たり前に。
　必要から生まれたものがすばらしいように、当たり前であることほどすばらしいものはない。
　誰も知らない、誰も気づかないところ。僕は探してみたいと思う。



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みんな兄弟？

みんなで並んで記念撮影
でもいったいどこから来たのか
いつの間にか気づかぬうちに　ひょっこりと現れて

凛々しく

背筋を伸ばして凛々しくたたずむ
透き通る羽に　名前の由来が見て取れる
ウスバカゲロウの名の下に　ピンと力強く

ネジバナ

花の名前なんて覚えるほどのものではないかもしれない
ただ　名前の成り立ちを見るとそれはとても面白い
見たままであり　事象からであり
ねじれて咲くこの花のように

しろつめくさ

シロツメクサの花に　もう一つ花が咲く
蝶の羽が花であるなら　この写真はなにを語るのだろう
時々向きを変えながら　幸せそうに蜜を吸い

夢の中で

がさがさとカラスに起こされて窓を開ける
開けた世界に夢うつつ　ぼうっとカメラを向けて
眠りの中に戻りつつ　ふらふらとシャッターを押して

そら

そこには空しかなかった　見上げた雲の上に空だけがあった
その空には風があって　その先には太陽があった
いつも見ている当たり前の景色も　久しぶりの太陽に輝いて見えた

海の上

久しぶりの海の上　波に揺れる船に揺られ
聞こえるパドルの音に　しっとりとした潮の香り
いつもは見られない景色　新しい場所を見つけたような快感
ただ　ズボンとシャツじゃ海には入れず　なんだか涙の味がして